京都産業大学、1998年以来の関西制覇を逃す。最終戦は関西王者と対戦。ラグビー関西大学リーグ

写真：グラウンドを駆け回り、最後は両足がつって担架で運び出されたキャプテン伊藤

関西大学ラグビーAリーグ第6節は11月17日に行われ、1998年以来の関西制覇を目指していた京都産業大学は、立命館大学に敗れ優勝を逃した。

今シーズンは、いきなり挫折から始まった。伊藤鐘平（札幌山の手・4）をケガで欠く中、開幕戦で関西学院大学に敗北。

大西監督のラストイヤーで関西王者を目指していた矢先の敗戦に、チームは言葉を失った。そこから1週間でチームを立て直し、大阪体育大学、近畿大学に勝利。なんとか上位に食い込む。

後半戦の初戦、摂南大学に前半、0-21とリードされるも、逆転勝ちを果たす。そして先週、それまで全勝だったライバル同志社大学に勝利。大学選手権出場が決まった。

さらに関西制覇の可能性も残り、11月30日に行われる関西王者・天理大学戦を見据えた調整をしてきた。その時点で、今季は1勝4敗と振るわない立命大をどこか軽く見てしまったのかもしれない。

舞台は皇子山競技場。晴天ということもあり、2387人の観客が訪れた。前節からSH（スクラムハーフ）を貴島由良（京都成章・4）、FB（フルバック）を栢本光（天理・4）に変えるなど、4年生を増やした布陣で望んだ京産大。

一方、昨季2位の強豪ながら、入れ替え戦の可能性すら浮上した立命大は、危機感を共有し、今までにない集中力で試合に挑んだ。前半4分、立命大がPG（ペナルティゴール）を成功させ、先制する。京産大も直後にトライを返し、7-3とした。

しかし、今までロングキックと冷静な判断を武器に、SO（スタンドオフ）として大活躍してきた家村健太（流経大柏・1）のパフォーマンスが思わしくない。

FW（フォワード）がスクラムでペナルティを獲得するも、直後のタッチキックをミスしたところから、歯車が狂いだした。

「自分の気持ちをコントロールできなかった」（家村）。久々の先発出場となった貴島も、上手くチームに溶け込めていないように見えた。

「今日は6、7、8、9、10、全員が良くなかった。前に出られるプレイヤーがいなかった」（大西監督）。「接点の部分で、受けにまわってしまった」（伊藤鐘平キャプテン）。

アタックを継続しても、センターライン付近から前に進めない。むしろパスを後ろに投げる分、下がっているようにも見えた。すると前半26分から3連続でトライを奪われてしまう。そのうち2つは自分たちのミスから生まれた失点だった。

写真：何度も突進したアサエリ・ラウシ（日本航空石川・1）

赤紺軍団は後半最初からNO8（ナンバーエイト）、SH、SOを交代し、挽回をはかる。後半16分にトライを返し、その後もチャンスを作ったが、得点できなかった。

ラインブレイクした選手にフォローが少なく、2節から連続トライを記録していたエース堀田礼恩（京都成章・2）までボールが渡らない。必死のオフロードパスもミスが多かった。

一方、立命大は着実に2つのPGを成功させる。京産大も懸命の攻めを見せるも、スコアは動かず、14-28でノーサイド。

「同志社戦からハイプレッシャーをキーワードにしてやってきたが、それが出ていなかった。ディフェンス、アタックの仕掛け、全てにおいて相手が上まわっていた。非常に悔いが残るゲーム」（大西監督）。

次戦は11月30日、最終節の天理大戦だ。天理大は7月の春季トーナメント決勝で52-14と大敗した相手。リーグ戦の5試合でそれそれ10トライ以上を奪い、関西4連覇を決めた同志社戦でも55-6と完勝。関西では頭一つ抜けた存在だ。

しかし、京産大の目標は大学日本一。選手たちも「天理に勝って全国へ行く」と口をそろえる。「負けたのは仕方ない。次の天理一本に絞ってやっていく」（宮崎）。

相手がどんなに強くても、ひたむきに前に出るのが京産大のラグビーだ。大西監督最後の関西リーグ戦、絶対に勝って次のステージに向かいたい。

文／写真：岩田悠吾（京産大アスレチック）

◆関西大学リーグ順位
※4位までが大学選手権出場

1位　天理大学　6勝0敗
2位　京都産業　4勝2敗
3位　同志社大　4勝2敗
4位　近畿大学　3勝3敗
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5位　関西学院　3勝3敗
6位　立命館大　2勝4敗
7位　摂南大学　1勝5敗
8位　大阪体育　1勝5敗

◆11月30日（土）
・午後0:00　同志社大学 vs. 立命館大学　西京極
・午後2:05　京都産業大学 vs. 天理大学　西京極
・午後0:00　大阪体育大学 vs. 関西学院大学　鶴見緑地
・午後2:00　近畿大学 vs. 摂南大学　鶴見緑地