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ラグビー コラム 2019年11月22日

慶應義塾大学、プライドをかけた早慶戦。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 慶應スポーツ新聞会
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写真:伝統の一戦で明治大学に大敗

11月に再開した関東大学対抗戦もいよいよクライマックス。ここまで2勝3敗の慶應義塾大学は、いよいよ伝統の早慶戦に臨む。11月10日(土)には明治大学を相手に3-40と完敗。ルーツ校としてのプライドをかけ、ここまで対抗戦を全勝で突き進む早稲田大学に挑む。

11月10日の明大戦、慶大はSO(スタンドオフ)中楠一期(総1・國學院久我山)のPG(ペナルティゴール)で先制するも、それ以降は相手の武器であるFW(フォワード)陣を中心に繰り広げられる明大ラグビーに終始苦しめられ、対抗戦では3年ぶりの敗戦となった。

だが、慶大に落ち込んでいる暇はない。2週間の後の11月23日(土)には、伝統の一戦・早慶戦が待ち受けている。

早大の強さを語る上で、SH(スクラムハーフ)齋藤直人と、SO岸岡智樹の両ハーフの存在を欠かすことはできない。

日本代表候補に学生で唯一選ばれていたSH齋藤は、精度の高いパスと素早い球出しで攻撃のテンポを作る。SO岸岡は正確無比のキックでボールを展開する、こちらも大学屈指のゲームメーカーだ。

さらに河瀬諒介、中野将伍、長田智希といった決定力のあるランナーを擁するエリート集団の活躍が、対抗戦ここまで5試合で3度の2桁トライをマークした力強い攻撃力の要因となっている。

長短を織り交ぜた素早いパスをまわし、フェーズを重ねる展開ラグビーが早大の伝統的な持ち味だ。

また、タレント揃いなのはFW陣も同様。小林賢太、下川甲嗣など年代別代表に選ばれた経歴を持つ選手が揃っている。春季大会での対戦は慶大がスクラムで勝る場面が目立ったが、この夏を通じて強化が進んだ。

また、ブレイクダウンでの粘り強さでも相手に流れを渡さない。栗原徹HC(ヘッドコーチ)も「隙のないチームになっている」と警戒している。明大戦と同様にかなり厳しい戦いが予想される。

写真:今年から出場機会を増やした上村

ここで、今度は慶大の戦力を振り返っていく。今年の慶大のラグビーを語るにおいて、欠かせないのが戦術の変化だ。

この春、栗原徹ヘッドコーチが就任。世界で主流となっているキック戦術を導入し、今年の試合では、SH上村龍舞、SO中楠のハーフ団から繰り出されるパントキックで好機を演出する場面が多く見られる。

さらに言及したいのは、キックを蹴るのはハーフ団だけではないということだ。攻撃に変化をつけるため、主将のCTB栗原由太ら他のBK(バックス)陣からも果敢なグラバーキックが見られる。

一瞬で状況を打破するとともに、相手に的を絞らせない多彩な攻撃が今季の慶大の特徴の一つだ。トライを量産した成蹊大学戦で光った素早いパス回しに加え、秋になって形になり始めているキック戦術がどのように機能するかが勝敗のカギを握る。

慶大にとって早大といえば、対抗戦では2010年度以来、勝ち星を挙げられていないだけでなく、昨年度の大学選手権準々決勝ではロスタイムに逆転負けを喫した因縁の相手。

ラグビーワールドカップの影響で、当日は大観衆の前での試合が予想される。大勢の観客の前で歓喜の輪を作る蹴球部に期待したい。

文/写真:竹内大志(慶應スポーツ)

【関東大学対抗戦 今週の試合日程】

◆11月23日(土・祝)
・午後2:00 早稲田大学 vs. 慶應義塾大学 秩父宮

◆11月24日(日)
・午前11:30 成蹊大学 vs. 青山学院大学 前橋敷島
・午後2:00 明治大学 vs. 帝京大学 秩父宮
・午後2:00 日本体育大学 vs. 筑波大学 前橋敷島

ラグビー関東大学対抗戦2019

【ハイライト】慶応義塾大学 vs. 明治大学

慶應スポーツ新聞会

慶應スポーツ新聞会

慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト

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