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ラグビー コラム 2019年7月5日

最多10度目の優勝か? 加入4年目での初優勝か? スーパーラグビー2019ファイナル 見どころ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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クルセイダーズvs.ジャガーズ

いよいよスーパーラグビー2019はファイナルを迎える。7月6日(日本時間16:35)、ニュージーランド(NZ)南島のクライストチャーチのオレンジセオリー・スタジアムでの開催。対戦するのは、レギュラーシーズン総合1位のクルセイダーズ(NZ)と、総合2位のジャガーズ(アルゼンチン)。今季をリードした2チームが相まみえる。

準決勝で、オーストラリアのブランビーズを39-7で下したジャガーズは、そのメンバーから先発で3名の変更をしてきた。21歳の左PRマイコ・ビバスに代えてアルゼンチン代表50キャップのナウエル・テタス・チャバロ、好調のWTBセバスティアン・カンセジエレからアルゼンチン代表39キャップのラミロ・モヤノと経験豊富な選手を入れ、オープンサイドFLについては、188cm、105kgのFLトマス・レザーナから、195cm、115kgのマルコス・クレメールと大型化した。ビバス、カンセジエレ、レザーナはリザーブに回る。また、36歳のベテランFLファン=マヌエル・レギサモン(アルゼンチン代表85キャップ)もリザーブ入り。「不可能なことはない。我々は勝つためにここに来た」(HOアグスティン・クレーヴィー)。まさに必勝態勢の布陣だ。

対するクルセイダーズは、準決勝でハリケーンズ(NZ)を30-26で破ったが、激闘のなかで2名の負傷者が出た。抜群の運動量を誇るLOスコット・バレットと、BKラインの要であるCTBライアン・クロッティである。バレットは人差し指の付け根、クロッティは親指、の骨折が判明。これにより、アウトサイドCTBのジャック・グッドヒューがインサイドCTBに移動し、アウトサイドには、ザ・ラグビーチャンピオンシップに臨む同国代表オールブラックスのスコッドに初選出されたブレイダン・エンノーが入ることになった。バレットの代役は、23歳のミッチェル・ダンシェが務める。バレット、クロッティの不在はクルセイダーズの不安材料だ。

3年連続10度目の優勝を狙うクルセイダーズと、スーパーラグビー加入4年目で初優勝を狙うジャガーズ。対照的な両チームは、スーパーラグビーで過去2度戦っており、2016年(32-15)、2018年(40-14)と、いずれもクルセイダーズが勝っている。ただし、ジャガーズは着実に力を上げ、今季のレギュラーシーズンは11勝5敗(クルセイダーズは、11勝2敗3分け)で駆け抜けた。スクラムはやや不安定だが、的確なタックルと、多彩な攻撃で決勝まで勝ち進んできた。

クルセイダーズは準決勝でハリケーンズの猛攻を耐え、トライ数が1つ少ないなかで勝ち切った。ディフェンスの一瞬のスキを見逃さずにトライに結びつける判断、スキルの正確さは他の追随を許さない。ここまで15トライのWTBセヴ・リースは、オールブラックスに初選出され、日本でのラグビーワールドカップ(RWC)に出場する可能性も出てきた。準決勝では、オールブラックスのSOボーデン・バレットを瞬時の加速でかわしてトライをあげている。決勝でもジャガーズにとって怖い存在になるだろう。

互いに相手ボールを奪う能力は高い。攻守が入れ替わったときに、いかに素早く、正確に動けるかは、勝敗のキーポイントだ。レフリーを務めるのは、決勝は3度目となる南アフリカのヤコ・ペイパー。今季、スーパーラグビー100試合を達成し、現在は105。歴代2位「107」のジョナサン・カプラン、歴代1位「110」のスティーブ・ウォルシュに迫っている。今年のRWC日本大会でも12名のレフリーの一人。テンポよく試合を進行するだろう。すべてがハイレベルなファイナルを、お見逃しなく。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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