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モータースポーツ コラム 2026年9月5日

【プレピュー】ブレガがタイトルを決定する可能性も!2026年の終盤戦が始まる | FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第9戦 マニクール

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)

世界のオートバイメーカーが市販車ベースのマシンで鎬をけずる「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」は長い2ヶ月の夏休みを経て、第9戦がフランスのマニクールサーキットにて9月4日(金)〜6日(日)に開催されます。今シーズンも「J SPORTS」ではWSBKを全戦放送。今シーズンも残すところあと4ラウンド、12レースとなりました。第9戦・マニクールのレースはタイトル決定戦になる可能性もある重要な闘いです。

今季はニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)がここまでの24レースで23回の優勝を飾っています。連勝記録を伸ばし続けるブレガの独占シーズンとなっていますが、第8戦ドニントンパークではドゥカティワークスチーム「Aruba.it Racing-Ducati」のチームメイト、イケル・レクオーナ(ドゥカティ)がレース1で初優勝を飾りました。ようやく今季2人目のウイナーの誕生でした。しかし、レクオーナは続くスーパーポールレースでリタイアに終わってしまい、今季初のノーポイント。レース2では再びブレガが優勝したことで、両者のポイント差は133点に広がりました。

レクオーナがこの差を残り4イベント12レースでひっくり返すのは難しく、夏休みに入る前からすでに自力でのチャンピオン獲得の可能性はなくなっています。今回のマニクールを終えて、両者の得点差が186点に広がってしまうと、マニクールでタイトルが決定することになりますが、レクオーナの欠場でもない限り、マニクールではまだ決まらず、現実的には次戦のクレモナでニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)のチャンピオン決定の可能性が高いと見られています。

ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)は「近々将来について発表することができるはず」とインタビューで語っており、ヴァレンティーノ・ロッシがチームオーナーの「VR46」からMotoGPに参戦することになるのか、それともWSBKにチャンピオンとして残留か注目が集まります。

今年、創業100周年を祝うイベント「World Ducati Week」を盛大に開催したドゥカティ。ここまで全戦全勝を飾っており、ランキングトップ3はドゥカティのライダーが名を連ねています。ランキング4位につけるのが、コンスタントにポイントを獲得し続けてきたアレックス・ロウズ(ビモータ)で、ランキング5位で双子の兄弟、サム・ロウズ(ドゥカティ)が追いかけます。ロウズ兄弟のポイント差は5点に縮まり、ドニントンパークで連続表彰台を獲得したサム・ロウズ(ドゥカティ)がその差を一気に詰めてきました。ドゥカティ勢が圧倒的に優位に立ってレースを進めているシーズンになっているのです。

一方で表彰台のチャンスがなかなか生まれてこない中段勢は当たりが激しく、怪我人が続出。シーズン途中に厳しい状況に追い込まれたのが、昨年はトプラク・ラズガットリオグルを擁してチャンピオンとなったBMWです。今季からラインアップを一新し、ミゲール・オリベイラ(BMW)、ダニロ・ペトルッチ(BMW)を起用したBMWですが、2人ともシーズン中盤に怪我での欠場が相次ぎ、復帰戦となったドニントンパークでもポイントを獲得するのがやっとでした。BMWはオリベイラの残留を発表しましたが、ペトルッチは放出が決定。今年36歳になる元MotoGPライダーの今後は今のところ不透明です。

今季、表彰台に一度も立てていないヤマハも来季のライダーの去就が気になるところです。アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)に加え、今季ホンダから移籍してきたチャビ・ビエルゲ(ヤマハ)を起用していますが、どちらも最高位は6位と苦戦中。両者共にコンスタントにポイントを獲得できてはいますが、MotoGPを離れることが決定したジャック・ミラーの加入も噂されています。

ホンダはさらに厳しい状況です。ソムキャット・チャントラ(ホンダ)、そしてジェイク・ディクソン(ホンダ)共に今季は怪我に悩まされてきました。その代役を鈴鹿8耐ウイナーにもなったジョナサン・レイ(ホンダ)が務めましたが、鈴鹿8耐の翌週に行われたドニントンパークのレースでポイント獲得に至ったのはレイだけという悲惨な状況。来季はMotoGPが850cc化で大変革の都市となるため、リソースの多くはMotoGPに注がれることになるでしょうから、WSBKで戦闘力を取り戻すのはまだ先のことになるでしょうし、来季のラインアップも不透明といえます。

ドゥカティ以外はなかなか厳しいレースが続いているWSBKの各メーカーですが、来季からは2030年に向けての大幅なレギュレーション変更に向けて過渡期ともいえる時代に入ります。未来を見据えて様々な開発を進めていく必要があり、経験豊富で速いライダーには高い需要が出てくるでしょう。WSBKの中でもまだ先行き不透明なライダーが多く、夏休み明けのマニクールはシート争いを絡めた非常に激しいレースになるかもしれません。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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