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モーター スポーツ コラム 2025年5月9日

こちらも今週末開幕! フォーミュラカーが導入される2025 KYOJO CUP

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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今季よりフォーミュラカーが導入される2025 KYOJO CUP

2025年シーズンも熱戦が繰り広げられている国内モータースポーツ。すでにSUPER GT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久ともに開幕2大会が終了し、シーズン中盤戦に突入しようとしている。

そんななか、ここ数年で人気を集めつつあるKYOJO CUPが、今週末に富士スピードウェイで開幕を迎える。

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元レーシングドライバーで日本人初のル・マン24時間レース優勝者として知られる関谷正徳氏がプロデュースし、2017年に立ち上がったシリーズ。当初は10台前後のエントリーだったのが、いつしかカートで活躍する女性ドライバーが4輪レースに進出する登竜門的ポジションも担うようになり、年々参戦台数が増えていった。

そして、2024年シーズンは過去最多となる30台を超えるエントリーを記録。7月にはスーパーフォーミュラと併催され、坪井翔(SF)と斎藤愛未(KYOJO)が夫婦同日優勝という快挙を達成したことも記憶に新しい。

KYOJO CUPは今年から新たなステージに入ることとなり、これまでのVITA-01からフォーミュラカーのKC-MG01へ車両変更されることとなった。

昨年夏にアンベールされて、テスト走行が繰り返されてきたKC-MG01。元を辿ると2022年に行われた国別対抗戦『FIA モータースポーツゲームズ』のF4カップで使われた車両。大会終了後、ヨーロッパで保管されていたものが、今回日本にやってきた。

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ちなみに、ハイブリッドシステムが搭載されているということがアンベール時には注目が集まったが、これはFIAモータースポーツゲームズで使われる際に導入されていたもの。KYOJO CUPではハイブリッドシステムに対してのこだわりは特にないようだが、システムを車両から外すとなると莫大なコストがかかるため、搭載したままレースをするとのことだ。また、女性ドライバーがドライブするということを考慮して、キャスター角を調整してステアリングの重さを軽減している。

 

普通なら各チームにマシンがデリバリーされて、メンテナンスはそれぞれ行うのだが、KYOJO CUPで“完全イコールコンディション”を保つべく、KYOJO CUP側が指定しているメンテナンスガレージで一括管理されるほか、レースウィーク中に触れるセッティングもタイヤの空気圧とスタビライザーのみという徹底ぶりだ。

車両が新しくなることに合わせてレースフォーマットも今年は変更となっている。これまでは予選・決勝とワンデーで開催していたが、今年からは土曜と日曜の2日間にわたって開催。予選→スプリント→決勝レースという流れでセッションが進行していく。まずは予選で記録されたベストタイム順にグリッドが並べられ、スプリントレース(10周)が行われる。そこで決まった順位が日曜日に行われる決勝レース(12周)のグリッド順となるのだ。

今シーズンに向けて、2月から合計3回にわたって合同テストが行われてきた。雨に見舞われる日もあったが、各ドライバーとも着実に周回を重ねて、マシンに慣れている様子だった。マシンに関しては「扱うのが難しい」という声は、ほとんど聞こえてきておらず、開幕戦で各車がどんな走りをするのか楽しみなところだ。

その参戦ドライバーだが、昨年までKYOJOCUPに参戦ドライバーはもちろん、海外からやってきたドライバーもいる。

なかでも注目なのはカーナンバー1をつける斎藤愛未。夫がSUPER GTとスーパーフォーミュラで所属するTOM’Sからの参戦となる。フォーミュラカーでのレースは今年からスタートということで、いきなりトップに立つというのは難しそうなところもあるが、3回のテストを通じて、着実にトップとの差を詰めてきている。

斎藤愛未

昨年、斎藤と最終戦までチャンピオンの座を争った翁長実希はKids com Team KCMGから参戦。今年はFIA-F4にもエントリーし、フォーミュラカーのレースを重視している。テストでは限られたセッティング変更範囲の引き出しを増やすべく、様々なトライをしていた。

翁長実希

この他にも、KYOJO CUPで表彰台経験のある平川真子や永井歩夢、山本龍もフォーミュラカーとなった新生KYOJO CUPに挑戦。また佐藤こころ、富下李央菜、白石いつもなど、10代のドライバーたちの活躍にも注目が集まるほか、シリーズの常連メンバーとして定着しているバートン・ハナをはじめ海外から挑戦するドライバーもいる。

総勢20名のエントリー内で、最有力の優勝候補と言われているのが下野璃央だ。彼女は以前からFIA-F4に参戦していたこともあり、フォーミュラカーの経験が他のドライバーよりも多く、1回目の合同テストから速さをみせていた。

下野璃央

昨シーズンはトップ争いに絡む活躍を見せながらも、惜しいところが多かった。その悔しさをフォーミュラカーになったKYOJO CUPで、初のチャンピオンを目指す。

いよいよ始まる2025シーズン。予想以上の盛り上がりになりそうなので、一体どんな開幕ラウンドになるのか未知数なところもあるが、他のカテゴリーと同様に様々なドラマが生まれてきたKYOJO CUP。フォーミュラカーに変わる今シーズンは、どんなストーリーが待っているのか。ぜひ、11月の最終戦まで、ご注目いただきたい。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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