人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

モーター スポーツ コラム 2025年4月18日

スーパーフォーミュラ2025第3・4戦プレビュー 昨年白熱した牧野vs太田のバトル……その“続き”に期待

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
  • Line

牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

鈴鹿での開幕大会から約1ヶ月経ち、今週末はモビリティリゾートもてぎで2025全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦・第4戦が開催される。

もてぎといえば、例年8月の真夏に開催されることが多く、特にここ数年は猛暑だったこともあり、クルマだけでなくドライバーにも非常にタフなコンディション下で熱戦が繰り広げられてきた。

その暑さを避けるという意味合いもあり、今年は4月に開催時期が移動。とはいえ、金曜日からの走行を前日に控えたもてぎは、真夏日に近づくような暑さで、特に土曜日は気温30℃に達するほどになるのではないかと予想されている。

今年はサスティナブル素材の含有率が多くなった新スペックタイヤが導入されており、これだけ高温のコンディションで走るのは初めてのこと。予選タイムアタック時のグリップもそうだが、決勝レースでのタイヤの保ちという部分にも注目が集まりそうだ。

もてぎでのレースといえば、多くの人が昨年の「牧野任祐vs太田格之進のバトル」を思い出す人が多いだろう。お互いに別々の戦略をとったが、残り3周で2台が接近して抜きつ抜かれつの大バトルを展開。

サーキットに詰めかけたファンも大盛り上がりとなったが、ファイナルラップ直前というところで太田のマシンにトラブルが発生してスピン。

結果、牧野がシーズン2勝目を飾った。

ただ、牧野は「素直に喜ぶことができない」と笑顔は全くなく、太田もピットに帰ってくると悔し涙を流し続け、結果という形で勝敗はついているものの、どこか勝者がいないような雰囲気が漂った……ある意味で1戦となった。実際に太田は今でも昨年の毎戦のことがフラッシュバックするようなことがあるという。

2人にとって、おそらくどこか心残りがあったもてぎ大会が今年もやってくる。すでに鈴鹿で2連戦を終えて第1戦では太田、第2戦は牧野が勝利を収めたが、奇しくも両者ともにもう一方のレースは不運もあって上位入賞を逃す結果となった。

太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

今年はドライバーズタイトルを目指す2人にとっては、すでに1レース“取りこぼし”が発生している状態。それだけに、昨年チームも得意としていたもてぎラウンドで取りこぼした分を補うくらいの大量ポイントは狙っているはず。それがパフォーマンスとして表れれば、昨年のようなDOCOMO TEAM DANDELION RACING同士のトップ争いが繰り広げられるかもしれない。

昨年、もてぎでのトップ争いを観ていた人にとっても、どこか踏ん切りがついていない部分もあるだろう。ある意味には昨年の真夏決戦の“続き”を展開してくれることを期待したい。

もちろん、このもてぎ大会で注目なのはダンディライアンの2人だけではない。年間ランキングでみると、第2戦を終えてトップにつけている岩佐歩夢(TEAM MUGEN)も目が離せない。今年こそ優勝とチャンピオンを勝ち取ることを必達目標としているが、第1戦では太田とのバトルに敗れ悔しい2位フィニッシュ。第2戦は序盤にタイヤ交換を済ませる作戦に出るもペースが上がらず3位に終わった。

優勝こそ飾れていないが2戦連続で表彰台ということでポイントランキングは首位につけている。チャンピオン獲得に向けては幸先良いスタートと言えるが、彼にとっては“優勝ができていない”ことが大きな課題。もてぎは昨年予選で苦しんだコースではあるが、今回も2連戦ということで土曜日の第3戦で得たものを第4戦に生かすことが十分にチャンスはあるはず。さらに先週にはF1バーレーンGPでオラクル・レッドブル・レーシングよりフリープラクティス1出走を果たしたことで、さらに本人の中でもプラスになっている部分があるはず。非常に注目な存在だ。

バーレンGPでFPに出走した岩佐歩夢

この他にも、昨年チャンピオンの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)や2度の王者経験のある野尻智紀(TEAM MUGEN)も粘り強い走りで上位に来ることは確実。加えて、昨年ここでポールポジションを獲得した山下健太(KONDO RACING)や相方のザック・オサリバン。開幕戦では3位表彰台を手にした佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)に、国内トップフォーミュラ復帰2大会目を迎えるサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)など、注目ドライバーは盛りだくさんだ。

果たして、シーズン中盤へ向かう前の2連戦を制して勢いをつけるのは誰なのか? 今回も最後まで白熱のバトルが展開されそうだ。

J SPORTS オンデマンド番組情報

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ