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モーター スポーツ コラム 2022年10月20日

【FIM スーパーバイク世界選手権2022 第10戦 サンファン・ビリクム(アルゼンチン)】ラズガットリオグルが差を詰めてきた!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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レースプレビュー

レースプレビュー

メーカーがフラッグシップとなるスポーツバイクを戦わせる「FIMスーパーバイク世界選手権」はヨーロッパラウンドが終了。ここからは南米、東南アジア、オセアニアと転戦する、残り3戦9レースのフライアアウェイ戦に突入します。今回は10月21日(金)〜23日(日)にアルゼンチンのサーキット・サンファン・ヴィクリムで開催される第10戦のレースプレビューをお届けしましょう。

アルゼンチンでの「FIMスーパーバイク世界選手権」レースは昨年、陸続きになっていない国での開催=フライアウェイ戦として2年ぶりに開催されました。昨シーズンは後半戦で勢いに乗ったトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)が3レース中2勝を飾り、チャンピオンに王手をかけたコース。

MotoGPアルゼンチンGPの開催地とは異なるサーキットで1周は約4.3km。今年で4回目の開催です。毎回、予選から大接戦になることでも知られており、チャンピオン争いの行方と共にスリリングな展開になることでしょう。

前戦・アルガルヴェ(ポルトガル)ではランキング首位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)を追いかける現役王者のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)がレース1とスーパーポールレースで優勝。そしてレース2ではアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が優勝を飾りました。これで両者の間に59点あった差は56点に。僅かながら縮まりましたが、今回含めて残り9レースということで、バウティスタが優勢であることは変わりません。

ランキング3位のジョナサン・レイ(カワサキ)は前戦・アルガルヴェを3レースとも3位フィニッシュ。アルガルヴェのレースを終えて、チャンピオンの権利を持つのは今年の主役である3人に絞られましたが、レイは首位のバウティスタからは82点もの差をつけられているということで、逆転はさらに厳しい状況になっています。

ジョナサン・レイ(カワサキ)は予選では圧倒的に強く、前戦・アルガルヴェでもポールポジションを獲得し、これで今季の予選ポールは5回目。しかしながら、決勝で順位を落とすレースが続いています。アルゼンチンのサンファン・ヴィクリムではデータを見ると、カワサキは実は過去3回の開催で一度もありません。シーズン終盤に設定されていることが多いということ、過去には性能調整がシーズン中に入ったことがあったということを考えても、カワサキ勢は苦しいレースを強いられるかもしれません。ストップ&ゴー的なレイアウトのサンファン・ヴィクリムではトップスピードで勝るドゥカティ勢が優位に立つと考えられます。

1ラウンドで得られる最大獲得ポイントは62点。計算上は残り2レース分の124点差が付かないことにはチャンピオンは決まりませんから、アルゼンチンでのチャンピオン決定の可能性は低いでしょう。

ただ、ランキング4位以降の争いは熾烈で、4位にマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)=232点、5位にアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)=196点、6位にアレックス・ロウズ(カワサキ)=189点、7位にアクセル・バサーニ(ドゥカティ)=187点、8位にイケル・レクオーナ(ホンダ)=163点、9位にスコット・レディング(BMW)=156点と、この辺りの順位は残り3ラウンドで大きく変わってきそうな予感です。

このメンバー達は全員が来季も同じチーム体制で戦うことが決まっているので、心理的にはレースに集中できると思います。チャンピオン争いと合わせて楽しみたいのが中段争いと言えますね。中でもマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)は昨年のサンファン・ヴィクリムで3位表彰台の経験がありますから、ランキング4位争いからさらに抜け出す可能性が高いと言えるでしょう。

そして、既報の通り、唯一の日本人ライダーである野左根航汰(ヤマハ)は来季、Moto2世界選手権へのスイッチが決定し、来季は日本人ライダーの参戦が無い可能性が高くなってきました。野左根は昨年のアルゼンチンではポイントを獲得していますし、残り3戦、全力の走りを期待しましょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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