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アンドレア・ロカテッリ
スーパーバイク世界選手権と共に注目の「スーパースポーツ世界選手権」も残すところあと3戦となりました。終盤戦の始まりは初開催のスペイン・カタロニアサーキットでのレースです。第6戦の模様を「J SPORTS」でオンエア。日本人ライダーの大久保光の活躍も期待しましょう。
さて、第6戦の舞台はスペインのカタロニアサーキットです。実はプレミアカテゴリーのスーパーバイク世界選手権も初開催のサーキットなのです。MotoGPカタルーニャGPのサーキットとしておなじみのコースだけに、今まで開催が無かったというのは意外ですね。高速、中低速のコーナーがバランスよく組み合わさったカタロニアではどんな戦いが展開されるでしょうか?
2ラウンド続けて開催されたアラゴンでの第5戦はまたも、またも、アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)のパーフェクトウインが2レースとも続き、これでロカテッリは開幕9連勝となりました。
いや、ただの9連勝ではなく、9レース連続のポールトゥウイン、9レース連続のファステストラップという前代未聞の記録更新中。このままの勢いでいけば、全戦全勝という記録はもちろん、世界選手権レースとしては記録的な一人勝ち状態として歴史に名を刻むことになるのかもしれません。
23歳の若きイタリア人、アンドレア・ロカテッリは昨年までMoto2で走っていたライダーですから、カタロニアサーキットは毎年レースをしたサーキット。グランプリの開催が無かったポルティマオでも優勝したロカテッリにとって、走り込んだカタロニアは何の不安も無いでしょう。
そして彼にとってはさらに不安要素が少なくなりました。ランキング2位で追いかけるジュール・クルーゼル(ヤマハ)が第5戦・アラゴンのレース2でラファエル・デローサ(MVアグスタ)と接触して転倒。そのまま病院に運ばれ、脛骨と腓骨の骨折が判明。クルーゼルのチーム「GMT94」はクルーゼルの欠場を決断し、代役としてカイル・スミスを立てることになりました。
ランキング首位のアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)とランキング2位のジュール・クルーゼル(ヤマハ)のポイント差は第5戦終了時点(9レース完了時点)で、79点。今季は残り3戦6レースであり、今回のカタロニアが終わった時点でその差が4レース勝利分の100点に広がると、クルーゼル欠場のままロカテッリのチャンピオンが決定します。
ランキング3位のルーカス・マヒアス(カワサキ)とは106点差。レース1を終えた時点でその差が125点に広がると、ロカテッリのチャンピオンが決まりますが、現実的には100点差以上のレース2でチャンピオンが決まる可能性が高いと言えます。ただ、フランス人のルーカス・マヒアス(カワサキ)としては地元フランスの第7戦・マニクールまでチャンピオン争いの可能性を持ち越したいところですが、2レースともロカテッリの優勝を退けることが条件になってきます。
チャンピオン争いという意味ではロカテッリの独走ですが、元GPライダーも多く参戦する「スーパースポーツ世界選手権」のカタロニア戦は見所が多いレースになりそう。第5戦・アラゴンのレース2で今季2度目の3位表彰台を得たイザック・ヴィニャーレス(ヤマハ)もそんな一人だけにトップ争いに加わることを期待したいです。
そして、日本人ライダーの大久保光(ホンダ)は第4戦に怪我から復帰参戦しましたが、第5戦はレース2を高熱により欠場しました。自身の体調不良との事ですが、第2戦の転倒による怪我の影響によるものだそう。万全のコンディションではなさそうですが、無理をせずに今できる限りの走りをして頑張ってもらいたいものです。
さて、ロカテッリがまたも連勝街道を突き進むのか、それとも意外な伏兵が彼の連勝を止めるのか、初開催のカタロニア戦から目が離せません。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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