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モーター スポーツ コラム 2019年11月1日

2019スーパーフォーミュラ最終戦レビュー:頂点をかけて勝負した者にしか解らない“想い”

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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ちょうど1年前の2018スーパーフォーミュラ最終戦鈴鹿。シリーズ史上に残ると言っても過言ではない手に汗を握るバトルを、我々は目にした。山本尚貴vsニック・キャシディによるチャンピオンをかけた激闘だった。結果は0.6秒差で山本が逃げ切り、自身2度目となるチャンピオンに輝いた。

当時、鈴鹿サーキットに詰めかけた23,000人のファンは限界まで攻め続けたふたりの激闘に大きな声援を贈り、健闘を讃えた。

あれから1年……。山本とキャシディは、再びこの鈴鹿サーキットでチャンピオンをかけて対峙した。

2019シーズン、奇しくもふたりはチームを移籍し山本はDOCOMO TEAM DANDELION RACINGから、キャシディはVANTELIN TEAM TOM’Sからエントリー。マシンもSF19が新しく導入され“初物づくし”のシーズンがスタートした。

毎戦ウィナーが変わるシーズンとなったが、その中でも第6戦岡山を終えてみるとランキングトップに山本(29ポイント)、2番手にキャシディ(28ポイント)となり、ルーキーのアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/25ポイント)とともに三つ巴の最終決戦が始まった。

レースウィークに入って金曜日に行われたランキングトップ3が登場しての記者会見。そこで昨年も王座争いを経験した山本とキャシディは、お互いを非常に尊敬し合っている姿が垣間見えた。

「正直ニックの前で走るのは容易なことではないです。昨年の最終戦もギリギリでしたし、今年の開幕戦も前に出てからの彼の走りは素晴らしいものがありました。彼の前に立つことは容易ではありませんが、それでも今回は勝たなければいけないので、純粋にこのレースを勝利することに集中していきたいです」(山本)

「昨年のバトルは本当に素晴らしかったと思う。結果は残念ながら僕が求めていたものではなかった、会場に来てくれて全ての人に素晴らしいバトルを披露できた。あの時もそうだし、今でも山本をリスペクトする気持ちは強くなっている」(キャシディ)

そう語るふたりの表情を見ると、互いに警戒しているというよりは、どこか再戦を楽しみにしている様子が、すごく印象的だった。

そして27日(日)の決勝レース。ふたりは昨年とはまた違った形で好バトルを繰り広げた。ポールポジションスタートのパロウが逆転王座の最有力候補かと思われたが、序盤にマシントラブルを抱えてまさかの失速。レース中盤に入ると、完全に山本とキャシディの一騎打ちとなった。

5番手スタートだった山本は7周目にピットインしミディアムからソフトに交換。後半に上位逆転を狙う戦略だった。それに対しキャシディはソフトタイヤでスタートし前半からスパートをかけてアドバンテージを築いていく戦略。それゆえにレース中盤はお互いに別々のところを走ることになった。

それでも、お互い目の前にライバルが走っているかのように0.1秒を削り合う走りを披露。会場に詰めかけたファンも息をのんでレースの行方を見守った。そこで速さをみせたのがキャシディ。1分42秒台のラップを刻み続け34周目にピットストップを行うと、山本の前でコース復帰を果たしたのだ。

そのままキャシディは2番手のポジションを守り抜いてチェッカーフラッグ。念願のスーパーフォーミュラ王者に輝いた。

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