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チーム全体の力で、DENSO KOBELCO SARD LC500が逆転優勝
その間にもKEIHIN NSX-GTの塚越は盤石の状態。やがて1コーナー付近の雨はやんだこともあり、より危なげない走りを見せていた。30周目、5番手のKeePer TOM’S LC500が上位では最初にピットインし、平川亮への交代と併せドライタイヤに交換。その直後のことである。いったんはやんだ雨が、今度はコース全域で降り始める。34周目、続いてau TOM’S LC500もピットイン。関口もまたドライタイヤを選択する。その直後にセクター3で大雨が! 35周目にKEIHIN NSX-GTがピットイン。バゲットへの交代と併せてドライタイヤを装着するも、続いて入ってきたZENT CERUO LC500や、DENSO KOBELCO SARD LC500はウェットタイヤに交換して石浦宏明、中山をコースに送り出す。この判断が、どう出るか? また、コース復帰にZENT CERUMO LC500は手間取ったこともあり、DENSO KOBELCO SARD LC500が前に出る。
そして、その直後に2回目のSCランが……。急に雨足が強まったため、GT300にクラッシュ車両があったためだ。この間にトップに浮上したのは、リアライズコーポレーションADVAN GT-R。マーデンボローは41周目のリスタートと同時にピットに入り、高星明誠に代わる。選んだタイヤはドライ。これでトップには、ついにDENSO KOBELCO SARD LC500の中山が立ち、2番手はZENT CERUMO LC500の石浦。一方、早めにドライタイヤを選んでいた、KEIHIN NSX-GTは43周目にウェットタイヤに再交換したこともあり、大きく順位を落としていた。
しかし、ドラマはこれに終わらず、44周目から3度目のSCランが実施される。またもGT300車両のコースアウトがあったためだ。リスタートは50周目。トップのDENSO KOBELCO SARD LC500の中山にとってラッキーだったのは、真後ろにドライタイヤを履いていたバックマーカーがいたこと。ペースを上げられず、後続が封じ込められている間に差を一気に広げたからだ。再びスタンド前を通過した時点で、中山はZENT CERUMO LC500の石浦に12秒もの差をつけていた。
一方、リスタートと同時にau TOM’S LC500はウェットタイヤに交換したが、その後雨はやんで路面が予想以上に早く乾いていったため、順位を落とすこととなる。逆に早めにウェットタイヤに戻していたKEIHIN NSX-GTのペースが速い。53周目の第2ヘアピンでは、石浦をバゲットがかわして2番手に浮上。だが、この頃、雨は完全にやんでいた。
同じウェットタイヤでも、周回数や状態の違いもあって、バゲットはトップの中山にも迫っていったが、あと3秒7及ばず。DENSO KOBELCO SARD LC500とコバライネンが久々の優勝を飾り、中山はGT500での初優勝を達成することとなった。2位はKEIHIN NSX-GTで、ドライタイヤで粘ったKeePer TOM’S LC500が最終ラップだけで3台をかわして3位に。一方、WAKO’S 4CR LC500は6位でゴールして、ランキングのトップをキープした。
「今回は天候がめまぐるしく変わって、自分が降りた後の展開はまったく予想がつかなかった。フィニッシュするまでどうなるか分からなかったから今回勝てて、すごく嬉しい。僕はミスせず走っただけ。すごい楽しいスティントでもあったよ」(ヘイキ・コバライネン)
「今年はレクサス勢が好調な中、SARDだけが思うような結果を残せずにいたのですが、今回は普通こうはしないだろう、というセットがバッチリ合って。ヘイキさんの走りもすごかったですし、僕が出ていった時、ピットは大渋滞で。でも、タイミングが最高で、ピットの作業も完璧でZENTの前に出られたので、チーム全体で得た勝利になりました。リスタートが完璧で、追いついてくるまではタイヤを温存して走ろうと思っていたんですけど、ブリヂストンのタイヤはGT300の頃から経験していたので、こういうコンディションの中でも信頼して走れました。今日は本当に嬉しいです!」(中山雄一)
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