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モーター スポーツ コラム 2019年9月11日

SUPER GT第6戦レビュー

SUPER GT by 秦 直之
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気まぐれな天候変化を、完璧に味方につけてSYNTIUM LMcorsa RC F GT3が逆転優勝

GT300では30周目を超えたあたりから雨が強くなり、ピットインが相次ぐように。まず動いたのがARTA NSX GT3で32周目、ウェットタイヤを装着する。しかし、ピットを離れる際に福住はGT500車両と接触してしまう。その直後にSCが入ったことは、果たして吉か凶か? 依然としてトップはグッドスマイル初音ミクAMGの片岡ながら、SCラン明けはタイヤの違う車両が混在していたこともあり、大渋滞が起こって、その間にARTA NSX GT3の福住はトップに躍り出る。
40周目、先の大渋滞で順位を落としていたグッドスマイル初音ミクAMGが、片岡から谷口信輝に代わる際にウェットタイヤに交換。そして、同じ周に予選12番手から、人知れず2番手にまで上がっていたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3が宮田から吉本に交代。飯田章監督の判断は、なんとドライタイヤへの交換! しかし、その直後にコースアウトした車両があって、3度目のSCランが行われたため、谷口も吉本もタイミング悪く順位を落としてはいた。
一方、2番手に上がっていたのは、マネパランボルギーニGT3の小暮卓史。予選22番手からのレース開始だったものの、スタートを担当した元嶋佑弥がじわりじわりと追い上げていたことが、功を奏した格好だ。3番手はK-tunes RC F GT3の新田守男で、4番手はなんと19番スタートだったMcLaren 720Sのアレックス・パロウ。今回は予選の結果など、あってなかったような印象だ。
リスタートをしっかり決めた福住の後ろでは、パロウが新田を1コーナーでかわして3番手に。雨に強いマクラーレンの、まさに面目躍如だ。そして、ARTA NSX GT3にはドライビングスルーペナルティが命じられる。やはりピットでの接触が危険行為と判定されたのだ。これにより事実上のトップに小暮が浮上。しかし、パロウが背後につけて激しいバトルを繰り広げる。そして51周目にARTA NSX GT3がピットに。それでもなんとか福住は4番手に踏み留まる。
小暮、パロウ、新田のトップ争いはなおも続き、GT500が独走状態にあっただけに、観客の視線は釘づけに。しかし、まだ誰もSYNTIUM LMcorsa RC F GT3の吉本が、他を圧するペースで走り始めていたことに気づいていなかった。すでに雨は上がって、路面が一気に乾いていたからだ。10番手にまで落ちていた吉本のオーバーテイクショーが、残り8周から開始される。
57周目の第2ヘアピンでパロウはトップに浮上。ピットで見守っていた荒聖治も、きっと勝ちを確信したことだろう。ところが、それから2周後にまさかの吉本が! 背後につけると抗う術もなく、パロウは第1ヘアピンで吉本にトップを明け渡してしまう。飯田監督のギャンブル大正解。吉本は100戦目のレースで久々の優勝を飾り、宮田にとってはこれが初優勝となった。
McLaren 720S、マネパランボルギーニGT3に続いて、4位でゴールしたのはグッドスマイル初音ミクAMG。最終ラップにK-tunes RC F GT3をかわしていた。これに続く6位でARTA NSX GT3がゴールし、やはりランキングのトップをキープした。ただし、ランキング2位に急浮上したマネパランボルギーニGT3との差は、一気に5ポイントにまで短縮。まだまだ予断は許されそうもない。

「LMcorsaで、このRC Fでは開発期間を含め、長いこと苦労していたんですが、今回は監督のアキラさんが素晴らしいジャッジをしてくれて、序盤は莉朋が若者らしくない走りで繋いでくれて。あとは天候とすべての運がはまって、勝てる時はこんなに簡単に勝てるのか、と思うぐらい。ホッとしましたけど、チームのみんなに『おめでとう』と言いたいです」(吉本大樹)

「まさかこんな展開になるとは思いませんでしたが、去年からこのチームに加わって、みんな勝ちにこだわって、なかなか勝てませんでした。決してすごく速くはなかったですが、ダンロップタイヤの特性を活かして、ついに勝つことができました!」(宮田莉朋)

文:秦 直之

秦 直之

秦 直之

大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。

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