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【ツール・ド・フランス2024 ルートプレゼンテーション】ツール史上初がたくさん詰め込まれたイタリア・フィレンツェ〜ニースまでスーパーハードな3週間
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかマーク・カヴェンディッシュ「あまりにハードすぎて、ショックを受けている」
土曜日の第14ステージは、おなじみ2000m超級トゥルマレをよじ登った先で、サン・ラリー・スラン・プラ・ダデに10年ぶりに帰還。なにより現世界王者マチュー・ファンデルプールの祖父「国民的ププ」レイモン・プリドールが、ちょうど50年前に、人生最後のツール区間勝利をもぎ取った忘れえぬ山だ。
続く革命記念日キャトーズ・ジュイエ(7月14日)の日曜日は、プリュドム氏の言葉を借りれば「今ツールで最も大切な1日」。198kmのコース上には5つの難峠が詰め込まれ、累積獲得標高は今大会最高4850mにも至る。現仏代表監督トマ・ヴォクレールが、渾身の努力でマイヨ・ジョーヌを守ったプラトー・ド・ベイユの山頂にて、もちろんフランス人たちの奮闘が待たれる。
■スーパーハードな3週目の、最終3日間
そしてクライマックスの3週目へ。前述通り、休息日明けにスプリンターが最後の全力疾走を終えたら、残す5日間は、ひたすら雄大なアルプスの山々と対峙する。
大会16日目には、クリテリウム・デュ・ドーフィネで2度テストを済ませたシューペルデヴォリュの山道が、いよいよ史上初めてツールステージを迎え入れる。その翌日には1975年、ツール史上初めてシャンゼリゼで戴冠を受けたベルナール・テヴネが、マイヨ・ジョーヌを着用して走った1日目……のスタート地だったバルスロネットが、今年は執拗なアップダウンコースの終点となる。
「今大会以上にスーパーハードな3週目」と、2024年大会で3連覇を目指すヴィンゲゴーは断言する。だったらラスト3日間は、間違いなく、ウルトラハードだ。
第19ステージは、わずか145kmの短距離コースながら、累積標高差4600mにも達する。行く手に立ちはだかるのは3つの巨大峠。いずれも標高は2000mを越え、ステージの真ん中では、ボネット山頂の標高2802mの高みまで上り詰める。
この夏95歳で天寿を全うした「トレドの鷲」フェデリコ・バアモンテスが、先頭で2度走り抜けたボネット峠が、16年ぶりにツールに帰ってくる。ニースでの大会閉幕が決まった時に、アルプ・マリティム県(県庁所在地はニース)に聳え立つこの高山を、開催委員長は「すぐに組み込もうと考えた」という。舗装された自動車道路としては、フレンチアルプス最高標高地点を誇り、当然、ツール史上でもこのボネット山頂こそが最高峰。高山を得意とするヴィンゲゴーも、「レース本番でこれほど高い標高を走ったことがない」と打ち明ける。
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