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大人気漫画『弱虫ペダル』渡辺航先生がツール・ド・フランスを語る!「(漫画より)現実の方がすごい!」
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部ーー渡辺先生もシクロクロスをやられると聞きました。現在では、シクロクロスやマウンテンバイク出身の選手が活躍していますね。
バイクコントロールっていう意味で言うと、ロードレースでは自転車に対して右と左の動きがメインになります。一方で、マウンテンバイクとかシクロクロスでは縦の動きが加わって三次元になるので、そういうバイクコントロールが実はロードレースにおいても意味があるというか、力になるということを彼らは証明しているんだと思います。三次元の動きっていうのは、小さい頃に身体で学習するのがおそらく一番早いと思うんですよね。大人になってからマウンテンバイクを始めてトップまで行った人っていうのは存在しないので、小さい頃から自転車の三次元の動きを理解しておくと、ロードレースに移行していく意味でも、そこを経験していることが非常に重要になるのだろうと思っています。
創作活動に与えるインスピレーション
ーー現役の選手で弱虫ペダルのキャラクターにしてみたい選手はいますか?
渡辺先生を魅了するアラフィリップ
たくさんいすぎる感じではありますけど、ジュリアン・アラフィリップの鬼のようなアタックをし続ける感じとかは(描いてみたい)。「それ以上は無理だよな」って思ったところでもう一回アタックに行くみたいなところがすごい。ロードレースっていうのは、理想で言えば、一番前でペースを上げて、後ろの人がきつくなって脱落していってゴールするのが一番早いというか、パワーで勝つみたいな勝ち方なんだけど、調子の良いときのアラフィリップはそれをやってくれる選手。フェイスもイケメンですし、ああいうスター性を持つ選手はちょっと描いてみたいですね。髭はちょっと無理なんですけど(笑)
ーー実際に観たツール・ド・フランスのレース展開からインスピレーションを得て描かれたシーンもありますか?
もちろん小さい所作から、大きいところまですごいあります。補給食を取りながらボトルを咥えているところも、プロ選手がやっているところを見て「それ描きたい!」みたいな。ボトルの持ち方一つ見ても、選手によって特徴があります。あのような小さい所作が結構好きで、チームカーと話しながら行う選手のアクションとかもそうですね。ツールはトップのレースなので、トップのレースの選手の動きとか、空気感みたいなものを常に弱虫ペダルには描いていきたいなと思っています。小さなことなんだけど、先頭の選手が肘で後ろの選手に合図を送って、後ろの選手が前に出てくるみたいなこともそうですし、彼等が共通認識として持っている価値観みたいな、選手同士に流れる空気の部分っていうのは、僕がいつも追いかけているところですね。レースの緊迫感とか駆け引きみたいなものは漫画の中に生かそうと思って見ていますし、自分自身が痺れたシーンは絶対に参考にしたいとは思います。具体的にこのシーンを使ったということは難しいですが、いろいろな形で作品に反映されています。
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