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サイクル ロードレース コラム 2022年7月24日

【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第20ステージ】ヴィンゲゴーが総合優勝を手中に! “あの日”を知るワウトがマイヨ・ジョーヌを出迎え涙「ツール・ド・フランスを勝つことは、これほどまでに特別なのか!」

ツール・ド・フランス by 福光 俊介
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健闘を讃えあうヴィンゲゴーとワウト

健闘を讃えあうヴィンゲゴーとワウト

2年前の第20ステージ、ラ・プランシュ・デ・ベルフィーユの頂上。当時の総合エース、プリモシュ・ログリッチが思いもよらない形でマイヨ・ジョーヌを失い、地面に崩れ落ちるようにして座り込んだ姿を、ただただ見つめるしかなかった。誰もが勝つと信じて疑わなかったチームリーダーが、こんな形で敗れるとは。あまりの衝撃に言葉を失い、立ちすくんだ男は、あの日を境により強さを増し、自分のためだけでなくチームのためにも力を注いだ。

ツール・ド・フランス第20ステージ。40.7kmの個人タイムトライアルは、マイヨ・ジョーヌをかけた事実上の最終決戦。ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)は、あのときと同じようにフィニッシュラインでチームリーダーを待った。今度は笑顔で、新王者を迎えられた。いや、笑顔で迎えられたのはほんの一瞬。ときにアタックを打ち、ときにスプリントをし、ときに急峻な山岳までも一番に駆け上がるような、チームメートに「モーター」と称されるほどの男が、泣いた。

「感動しかない。チームとしてツール・ド・フランスを勝つことが、これほどまでに特別なのかと。本当に、強く思い知らされているよ。スペシャルな3週間だった」(ワウト・ファンアールト)

ピレネーでの山岳勝負を2日前に終えたプロトンは、前日には急ぎすぎなくらいのハイペースで形ばかりの移動ステージをこなし、最終日を前に個人タイムトライアルに挑んだ。ツールにおいて「第20ステージ」に個人タイムトライアルが設定されるケースは多く、マイヨ・ジョーヌのウイニングライドになることもあれば、2年前のようなサプライズが起こることもある。いずれにせよ、1つ言えるのは最終日前日のこのステージこそが、個人総合争いにおける“最終決戦”である、ということだ。

とはいえ、総合と関係なくこのステージを狙う選手も存在する。TTスペシャリストは、やっと...やっとやってきた自身の持ち場を最高の形で演じようと躍起だ。

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