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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第16ステージ】亡き弟との夢が成就 40km独走のユーゴ・ウル「10年かかったけど、僕は勝ったよ!」
ツール・ド・フランス by 福光 俊介散発的に数人単位のパックが先行する場面はあったものの、どれもレースの流れを変えるようなものにはならず、大人数の逃げがベースとなって進んでいく。レースが中間地点を過ぎた頃には、メイン集団との差は8分近くまで拡大。集団はユンボ・ヴィスマがコントロールしているが、さして先を急ぐ気配はなく、逃げ切りを容認するムードを漂わせる。
先頭グループも、メイン集団も、流れが大きく変わったのは、1つ目の1級山岳ポール・ド・レルスだった。
登坂距離11.4km、平均勾配7%の上りで、ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)が前に出た。これに呼応する形で、数人ずつのパックが追走。断続的にカルーゾに合流し、頂上を前にして7人に絞られた。ここはゲシュケがきっちりと山岳ポイントを確保。マイヨ・ア・ポワ争いで優位な状況が続く。
「今日の狙いは山岳ポイント収集だった。ステージ優勝を目指す選手たちと異なる動きをしていたことは仕方ないよね。こうなってきたら、僕の目標はマイヨ・ア・ポワを長く保持し続けることになってくる。1級山岳でポイントを獲れたことはとても良かったよ」(シモン・ゲシュケ)
下りで1人が追いついて、8選手による先頭グループになったところで、レースはさらなる変化を見せる。続く1級山岳ミュール・ド・ペゲール(9.3km、7.9%)に入ったところでウルが前に出た。
「もともとはマイケル・ウッズのアシストをするつもりだった。この上りで脚を使って、彼に有利な状況を作ろうと考えていたんだ。急坂は厳しかったけど、後ろとの差が30秒から40秒あれば僕でも行けるかもしれないと思い始めたんだ。実際は20秒程度しかアドバンテージはなかったみたいだけど、あのときは難しいとは思わなかったね」(ウル)
ウルをめがけて追走を試みる選手がアクションを起こしたけど、その芽を摘んだのがウッズだった。この状況なら、ウルが逃げ切れるならそれで問題はない。もし、誰かと一緒に追いつくことになっても、数的優位には変わりない。マッテオ・ヨルゲンソン(モビスター チーム)が力業で追撃態勢に入ったが、ウッズがしっかりとくっついた。
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