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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第7ステージ】プランシュ・デ・ベル・フィーユでの怪物伝説は最新章へ 激坂グラベル制したポガチャル「僕には勝つべき理由が存在した」
ツール・ド・フランス by 福光 俊介逃げメンバーがリードを保ったままプランシュ・デ・ベル・フィーユへと先乗りすると、山岳逃げ職人のレナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)がスピードを上げて人数を絞り込む。続いてシモン・ゲシュケ(コフィディス)がアタックすると、反応できたのはケムナだけ。この日は2カ所の3級山岳をともに1位通過していたゲシュケだが、上りが進むとともに勢いを失い、ケムナだけが逃げ切りのチャンスを有した。
メイン集団はUAEチームエミレーツが長くコントロールを続けたが、最後の上りに向かってはイネオス・グレナディアーズが前方を固めた。ただ、リーダーチームはそうやすやすと指揮権は与えない。ブランドン・マクナルティ、ジョージ・ベネットときて、ラファウ・マイカが集団先頭に立つと、30人ほどいた集団はあっという間に10人程度に。UAEチームエミレーツの優勢が色濃くなっていく。
激坂を脅威的速度でよじ登るポガチャル
そして残り1km。引きに引いたマイカがゼスチャーでポガチャルに後を託すと、マイヨ・ジョーヌは迷うことなく集団の先頭に立った。牽制なんかしない、ライバルの顔色もうかがわない。その姿は、自分の力を信じた現役ツール王者の猛進だった。
それでも、先に勝負に出たのは前回大会から続く“対抗馬一番手”のヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)だった。グラベルに入って最も勾配が厳しくなる残り400mでアタック。24%もの激坂での仕掛けには、一瞬ポガチャルも揺らいだように見えた。それまでどうにかこうにか逃げてきたケムナを残り100mでパスすると、前に見えるのはフィニッシュラインだけ...のはずだった。
たとえ揺らいだとしても、崩れない。王者の執念がそこにはあった。最後の直線に入ってシッティングからダンシングに切り替えて踏み直すと、数メートルあったヴィンゲゴーとの差を詰めて、フィニッシュ手前でついにトップへ。右手を高らかに掲げて勝ち名乗りを上げた。
「このステージ...特に最後の上りは困難を極めていた。もう限界に達していたんだ。だけど、どうしても勝ちたかった。僕には勝たないといけない理由があったんだ」(ポガチャル)
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