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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第4ステージ】4カ月前と同じ奇襲から放たれたマイヨ・ジョーヌのワウト・ファンアールトがステージ勝利!同僚ログリッチも驚愕「彼は半分人間で、半分モーターなんだと思う」
ツール・ド・フランス by 福光 俊介マイヨ・ブランのタデイ・ポガチャル
やがてメイン集団では、各チームが隊列を編成してポジショニングを本格化。おのずとペレスとの差が縮まっていく中、この日最後の4級山岳コート・ドゥ・キャップ・ブランネへ向けて、イネオス・グレナディアーズが主導権を確保した。
決定的な局面は、そのコート・ドゥ・キャップ・ブランネでやってきた。ユンボ・ヴィスマがイニシアティブを奪うやいなや、ネイサン・ファンホーイドンクとティシュ・ベノートが猛然とスピードアップ。あっという間に集団がいくつにも分断された。2人のペースは収まることはなく、気が付くと最前線にはマイヨ・ジョーヌを着るワウト・ファンアールトとヨナス・ヴィンゲゴーのユンボ・ヴィスマ勢、そこへ一矢報いようと粘るアダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ)だけしか残っていなかった。
ユンボ・ヴィスマの奇襲。さかのぼること4カ月前、パリ~ニースの第1ステージでも同じようなことがあった。あのときはクリストフ・ラポルト、プリモシュ・ログリッチ、そしてファンアールトが3人で逃げ切った。今回の大きな違いは、上り切る前に後ろの状況を把握したファンアールトが単独でアタックしたこと。後ろにヴィンゲゴーが控えていたけど、ここはマイヨ・ジョーヌを着る自分のために迷わず加速した。
最終盤の下りと平坦区間で後ろは大集団に戻ったが、勢いはファンアールトが上回った。あらゆるチームがアシストを前へ送り出してスピードアップを図った集団に対して、個人タイムトライアル状態になったファンアールト。いまのロードレースシーンなら後者が強い。
そうして、大観衆の待つカレーのフィニッシュへひとりで現れたファンアールト。勝利を確信すると、まるで鳥が羽ばたくように、ここまでの3ステージですべて2位だった“呪縛”を振り払うように、そしてこれまでのプレッシャーから解放されたように、腕を広げてのウイニングセレブレーション。マイヨ・ジョーヌみずから攻撃に出て、勝利をもぎ取ってみせた。
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