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サイクル ロードレース コラム 2021年7月4日

【ツール・ド・フランス2021 第8ステージ結果速報】ディラン・トゥーンスが15km独走ダウンヒルを攻め区間優勝、タデイ・ポガチャルが総合首位へ

ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部
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ディラン・トゥーンス

大会直前に旅立った祖父へ捧げる区間優勝、ディラン・トゥーンス

アルプスへ足を踏み入れる第8ステージ、ジュラ山脈の南端オヨナからル・グラン=ボルナンまでの150.8km、3級4級のあとに1級山岳を3つ上る今大会初の山岳ステージ。アクチュアルスタートが切られると最初に飛び出したのはトーマス・デヘント(ロット・スーダル)、山岳賞ジャージ着用のマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)やマイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション)が追いかけデヘントは吸収された。

アタック合戦は続き無印峠が始まるとテイオ・ゲイガンハート(イネオス グレナディアーズ)とワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)の2人が抜け出すことに成功、しかし無名峠の下りでメイン集団が吸収。この日もワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)が積極的にアタック、速いペースで早々にプロトンは半分に割れマイヨ・ヴェールのマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ)や怪我の影響が残るゲラント・トーマス(イネオス グレナディアーズ)らが後続集団に取り残された。

飛び出しと吸収を繰り返す67人の先頭グループの中からイタリアチャンピオンジャージのソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス)抜け出し独走を開始すると集団最後尾でプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が遅れていった。中間スプリントポイントはコルブレッリが先頭通過。3級峠に入るとプールスが山岳ポイント収集のためのアタック、その後の4級と1級を先頭通過し山岳ポイント暫定首位となり、この日の敢闘賞も手に入れた。

ふたつ目の1級ロム峠でダヴィデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ)がペースアップするとマイヨ・ジョーヌのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)とファンアールトがついていけなくなった。残り距離31kmでタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)がアタック、リチャル・カラパス(イネオス グレナディアーズ)が後輪に飛び乗るも更なる加速で突き放した。

ポガチャルは淡々とペダルを漕ぎ4分先にいる先頭のウッズを目指し、追走グループから落ちてきた選手たちを次々と追い抜く。ラスト17kmでディラン・トゥーンス(バーレーン・ヴィクトリアス)がウッズに追いつき、山頂手前でウッズを置き去りにした。

山頂はトゥーンスが先頭通過、15秒後方にまで迫ったポガチャルが2位通過しボーナスタイム5秒を獲得、残すはフィニッシュまでの15kmダウンヒルのみ。トゥーンスは果敢に攻め続け独走のまま天に指を示しフィニッシュラインを越えた、ツール区間通算2勝目。バーレーン・ヴィクトリアスは2日連続の区間優勝を飾っている。

ポガチャルは軽快に飛ばしていたものの途中で脚を緩め追走してきたウッズとヨン・イサギレ(アスタナ・プレミアテック)と合流、危険リスクは回避しイサギレ、ウッズに続く4着+49秒遅れでフィニッシュ、マイヨ・ジョーヌを獲得している。総合2位にはファンアールト+1分48秒、3位はアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック)+4分38秒につけている。

「勝ちに近づけもしない厳しい年だった、ようやく祝うことができる。大会開幕前に旅立った祖父に勝利を捧げたい」トゥーンス、勝利後インタビュー

Cycle*2021 ツール・ド・フランス

ハイライト動画 第8ステージ

第8ステージ結果
1 ディラン・トゥーンス(ベルギー/バーレーン・ヴィクトリアス)in 03h 54' 41''
2 ヨン・イサギレ(スペイン/アスタナ・プレミアテック)+ 00h 00' 44''
3 マイケル・ウッズ(カナダ/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00h 00' 47''
4 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 00h 00' 49''
5 ワウト・プールス(オランダ/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00h 02' 33''
6 サイモン・イェーツ(イギリス/チーム バイクエクスチェンジ)+ 00h 02' 43''
7 オレリアン・パレパントル(フランス/AG2Rシトロエンチーム)+ 00h 03' 03''
8 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 00h 03' 03''
9 マティア・カッタネオ(イタリア/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 00h 04' 07''
10 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 04' 09''

個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 29h 38' 25''
2 ワウト・ファンアールト(ベルギー/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 01' 48''
3 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ・プレミアテック)+ 00h 04' 38''
4 リゴベルト・ウラン(コロンビア/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00h 04' 46''
5 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 05' 00''
6 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 05' 01''
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 05' 13''
8 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 05' 15''
9 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマFDJ)+ 00h 05' 52''
10 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00h 06' 41''

ポイント賞
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/ドゥクーニンク・クイックステップ)168 Pts
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア/チーム バイクエクスチェンジ)113 Pts
3 マチュー・ファンデルプール(オランダ/アルペシン・フェニックス)103 Pts

山岳賞
1 ワウト・プールス(オランダ/バーレーン・ヴィクトリアス)23 Pts
2 マイケル・ウッズ(カナダ/イスラエル・スタートアップネイション)16 Pts
3 ディラン・トゥーンス(ベルギー/バーレーン・ヴィクトリアス)12 Pts

ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 29h 38' 25''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 05' 00''
3 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマFDJ)+ 00h 05' 52''

チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 89h 03' 04''
2 アスタナ・プレミアテック(カザフスタン)+ 00h 15' 34''
3 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 00h 18' 27''

敢闘賞
166 ワウト・プールス(オランダ/バーレーン・ヴィクトリアス)

第8ステージのリタイア
なし


コースマップ

第9ステージ 7月4日(日) 午後7:35 - 深夜2:00/J SPORTS 4【スカパー!無料放送】
[区間] クリューズ > ティニュ 144.9km(山岳・難易度5)/2年前の約束を果たしに行く

■コースの特徴
2年前の約束を果たしに行く。2019年第19ステージ、雹嵐で土砂が流れ出し、レースは突然中断された。プロトンはティニュにたどり着けなかった。すぐに戻ってくる……そんな開催委員長の宣言通り、大会1週目の最終日、この山でフィニッシュを争う。

コース自体は2年前と同じではない。前回が南西から攻めたのだとしたら、今回は北側からティニュを目指す。当然コース途中に登場する山岳は全て異なる。前半には2級の激坂ドマンシーと1級セズィが、中盤には超級プレ(登坂距離12.6km、平均勾配7.7%)と2級ロズラン(5.7km、6.9%)が組み込まれた。

プレ&ロズランの2峠は2018年に続くセット登坂。3年前はプレの、登坂開始5km以降から山頂間際まで延々続く激勾配ゾーン(中でも最終2kmは10〜11%超)で、激しい総合争いが勃発した。またほんの短い下りと尾根を経てロズランを上りきった直後、20km近い長いダウンヒルを利用して攻撃を試みた選手も。

そこから先は多くの選手にとって未知の世界。14年前にただ1度ティニュで勝負を争って以来初めて、全長21kmの長い山道をツール一行が上るのだ。平均勾配は5.6%と緩めながら、残り8kmには9%超のゾーンも待ち受ける。なにより残り3kmで、標高は2000mを超える。

正式には山頂フィニッシュではない。1級山頂を上り詰めた後、ラインまで平坦路1.9kmを突き進まねばならない。持てる力を全て絞り出しても大丈夫。翌日はここティニュの山の上で、待ちに待った休息日を過ごすのだから。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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