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サイクル ロードレース コラム 2020年8月29日

【ツール・ド・フランス2020:選手相関】フルームとマイヨ・ジョーヌの物語

ツール・ド・フランス by 宮本 あさか
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フルーム個人に対する恨みはない(と本人は言っている)けれど、それでも、やっぱり、フルームの絶対的エース体制に対して猛烈な怒りを表明したのがミケル・ランダである。2016年、2017年のフルーム総合優勝の貢献者であると同時に、2017年は犠牲者でもあった。

あの年のランダは絶好調だった。第12ステージでは最後の急勾配で、振り向きもせずに、フルームを置き去りにしたことさえある。2012年大会の再来か、とメディアは沸き立った。あの年いまだアシスト役だったフルームは、当時の絶対王ブラッドリー・ウィギンスをあわや突き放しそうになった。以来2人の関係は悪化し、両夫人を巻き込んだ壮大な絶交へと発展していく。

ただし2017年の状況はさらに二転三転する。3日後の第15ステージでは、メカトラの犠牲になったフルームを、ランダが力強く牽引してメイン集団まで引き戻した。第18ステージでは、ライバルたちを攪乱するために、「フルームに命じられて」ランダが残り4kmアタックを打った。ところが命令通り先行したランダの耳に……今度は「フルームを待て」との無線が飛び込んできた。しかも待たされた挙句に、不必要にタイムさえ失った!

あの日、ロマン・バルデ相手に12秒+ボーナスタイム4秒を与えてさえいなければ、ランダは総合3位に食い込んでいたはずだ。しかし現実は、1秒差で総合表彰台を逃す。この年の終わりに、ランダはフルームの元を立ち去った。

ワウテル・プールスは2015年と2016年にはマイヨ・ジョーヌを、2017年にはマイヨ・ロホを、そして2018年にはマリア・ローザをフルームにもたらした盟友である。しかもチームメイト時代はもちろん、昨年末にイネオスを離れるときでさえ、フルームとの関係に表立った問題はなかった。それでも心の奥底では、どうやら葛藤があった。自分だって1度はグランツールエースを経験してみたいけれど、フルームが同じチームにいる限り無理だろうなぁ……と、2016年の時点で早くも告白している。

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