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サイクル ロードレース コラム 2020年8月29日

【ツール・ド・フランス2020:選手相関】フルームとマイヨ・ジョーヌの物語

ツール・ド・フランス by 宮本 あさか
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おそらくフルームとゲラント・トーマス、さらにはエガン・ベルナルとの「主従関係」は……つまり2020年ツールで「トリオリーダー」を張る予定だった三者の仲は、もっともっと複雑に絡み合っている。

2009年バルロワールド時代からのチームメートである「G」は、初優勝時からフルームのマイヨ・ジョーヌ獲りを助けてきた。元トラックの五輪&世界チャンピオンであり、2015年春まではむしろ「石畳クラシック巧者」だったから、本人としても周囲としてもアシスト役でなんの問題もなかった。ただ徐々にトーマスは総合系へと移行を始め、2016年パリ~ニース総合優勝、2017年ツアー・オブ・ジ・アルプス総合優勝、2017年ジロ・デ・イタリア総合リーダー指名(落車負傷による途中棄権)、そして2018年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合優勝……と極めて順調に成績を重ねていく。

ついには2018年ツール・ド・フランスの期間中に、トーマスはフルームの従者としての立場を脱却する。正確には、第11ステージを制してマイヨ・ジョーヌを獲った日ではない。区間2連覇を果たした第12ステージ後でさえないのだ。そもそも初日から総合順位では常にフルームよりも上位に立っていたトーマスに、本当の意味で「ゴーサイン」が出たのは、ようやく第17ステージを終えてから。フルームが「Gはマイヨ・ジョーヌにふさわしい選手だ」と認めたことで、トーマスも「これから先はチームメート全員から完全なるサポートを受けられるだろう」と語ったのだ。

もちろん両者ともに「僕らが互いに対して攻撃を仕掛けることはない」と幾度となく繰り返したのは……、メディアの無用の詮索を避け、かつてのようなごたごやたを繰り返さぬための用心に違いなかった。

その2018年ツールで、少々苦しんだフルームを(というのは単に直前のジロでものすごい勝ち方をしたからなのだが)、真摯にサポートし続けたのがエガン・ベルナルだった。しかも当時21歳だった若者は、毎日メモを取りながら、チャンピオンとしての在り方を学んだという。そんな先輩がドーフィネでの大怪我で不在の間に、2019年、ベルナルはあっさりエースの座へ昇格してしまう。

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