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【2019-20 B.LEAGUE NOTEBOOK 8】故障者が出ることはチームにとってマイナスだが、新たなチャンスを生むきっかけにもなる
B.LEAGUEコラム by 青木 崇NBAの82試合に比べれば少ないといえ、Bリーグの60試合というレギュラーシーズンは長く、そしてタイトな日程の中で行われている。移動を含めて8日間で5試合という状況は、プレーする選手たちのコンディションやパフォーマンスの低下につながっても不思議でない。コート上で激しく競り合い、フィジカルなコンタクトが繰り返されれば、故障する選手も出てくる。正に“ケガはゲームの一部”と言える理由だ。
故障者が出ることはチームにとってマイナスで、シーズンの行方を左右する事態に発展することもありうる。しかし、すべてが悪いということではない。出場機会に恵まれなかった選手には新たなチャンスとなるし、それを生かして活躍すればチームの底上げにつながる。それはBリーグでも少しずつ見られるようになってきた。
先週の試合では、レバンガ北海道の中野司が好例だろう。開幕からローテーション外という状況が続いていたが、10月27日の大阪エヴェッサ戦で25分間で11点と奮闘したものの、この試合でケガをしてしまう。次の秋田ノーザンハピネッツ戦から5試合連続の欠場を強いられたことで、ローテーション定着が遠のいたと思われた。
しかし、多嶋朝飛が天皇杯で左足首を捻挫したことが理由で三遠ネオフェニックス戦を欠場すると、中野はこのチャンスでしっかり自身をアピールすることに成功する。12月7日の1戦目に16分38秒間で7点を記録すると、翌日の2戦目で先発。4本の3Pシュートを含む自己最多となる16点をマークし、「選手を信じて進めていきたい」と言う内海知秀コーチの期待にしっかりと応えるパフォーマンスで勝利に貢献した。
「スタートとして使ってもらえて結果を出せてよかったです。試合前に川邉選手と内田選手と自分が桜井選手に呼ばれて、日本人が得点をとっていかなければいけないというアドバイスをもらい、しっかり自分の役割として空いたらシュートを打つことを意識して臨みました」とは、試合後の中野。攻防両面でアグレッシブにプレーし、持ち味のシュート力を発揮することを継続できれば、ローテーションに定着して活躍する機会が増えることは十分に考えられる。
故障者が出たことでチャンスを掴んだという点では、三遠の寺園脩斗もその一人。チームは苦しい戦いに直面している中、開幕から先発ポイントガードとして奮闘している。レバンガ北海道戦で長年チームの司令塔を務めてきた鈴木達也がようやく復帰したとはいえ、寺園は18試合中7試合で2ケタ得点を記録し、アシストでも7本以上が4度ある。今後鈴木と出場時間を分け合うことになったとしても、河内修斗コーチは信頼できる選手して起用し続けるに違いない。
Bリーグは出場登録が12人で、コンスタントに試合に出られるローテーション選手になると8~10人というチームが多い。10番目以降の選手は出番に恵まれないかもしれないが、いつチャンスが巡ってきてもいいように、心身両面で準備万端でいることが大事。ゲームの一部である故障者が出た時こそ、彼らにとっては絶好のチャンスなのだ。それは、プロがいかに生存競争の激しい世界であることも意味している…。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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