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野球 コラム 2024年10月24日

【横浜好き】日本シリーズへの期待、ベイスターズのクライマックスシリーズを振り返る

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

「横浜進化」のシーズンは、3位からの下剋上で7年ぶりの日本シリーズ出場というエキサイティングな展開となりました。

リーグ優勝した巨人を撃破したクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージでは、4勝の全てが3得点以内、うち3試合が1点差ゲームという、これまでとはひと味違った戦いぶりを見せています。

今回はCSファイナルの勝因を振り返り、日本シリーズへの期待を探ってみたいと思います。

◆充実のリリーフ陣

絶対的エースの東克樹がファーストステージ初戦で故障離脱し、苦しくなった投手陣を救ったのがリリーフ陣の奮闘だった。

チーム最多となるファイナル6試合中4試合に登板したのが伊勢大夢と坂本裕哉で、ともに防御率0.00をマーク。守護神の森原康平がベンチ外となった初戦でセーブも記録した伊勢、初戦と第2戦で『左キラー』のワンポイントとして見事な火消しを見せた坂本と、左右の両輪がフル回転の活躍を見せた。

他にもウェンデルケンと中川颯が3試合に登板して無失点、さらに巨人を戦力外となった堀岡隼人が2試合無失点など、ブルペン勢が僅差のゲームで躍動した。

◆期待のドラ1が覚醒

2019年ドラフト1位の森敬斗がCS全8試合に7番・ショートで先発出場し、ファーストステージの阪神戦では2試合で8打数4安打の打率.500と大当たり。ファイナルは6試合で打率.222だったが、第2戦では先制タイムリー、第6戦では反撃の口火を切るタイムリー三塁打と、チームの勝利につながる打撃を見せた。

持ち味のスピードを活かした好走塁に、遊撃守備でも毎試合のように好守を連発し、地元・桐蔭学園高出身の期待のドラ1が、ポストシーズンで覚醒した感がある。

◆戸柱恭孝が正捕手の穴を埋める活躍

シーズン終盤に山本祐大が死球で右尺骨を骨折してチームは正捕手離脱の危機に直面したが、ここで奮起したのが戸柱恭孝、伊藤光のベテラン2人だった。

特に戸柱はCSの8試合中7試合でスタメンマスクを被り、ファイナルでは本塁打も放つなど6試合で打率.333、長打率.476と『打てる捕手』の穴埋めを見事に果たした。捕手としても豊富な経験を活かしたリードで投手陣をアシストし、ロースコアで競り勝ったチームの陰の立役者となった。

◆番長采配、打順固定で的中

レギュラーシーズン終盤から牧秀悟が2番に入り、4番にはオースティンを起用する形が定着。CSではオースティンが第2戦に決勝本塁打、第3戦は1点ビハインドからの同点弾と、効果的な一発で4番打者としての働きを見せた。

2番・牧はファイナル6試合で打率.238だが、4四球を選んで出塁率は.360と高い数字を記録。逆方向を意識した打撃が目立つなど、つなぎの役割も果たした。そして第6戦では、同点の9回に日本シリーズ進出を決める決勝タイムリーと本来の勝負強さも発揮し、三浦大輔監督のオーダーが、最後の最後で見事にハマった形となった。

◆『重厚』すぎる?代打勢

ファーストステージで代打本塁打を放ったフォードが、ファイナルでは第6戦で劣勢の展開を振り出しに戻すタイムリーと存在感を発揮。CS全8試合に全て代打で出場して9打数3安打の打率.333をマークした。シーズン途中加入も、6試合の出場のみで打率.200、1本塁打、2打点に終わった左の長距離砲が来季残留に向けて猛アピールしている。

さらにもう1人、ファイナル初戦の7回に代打で登場し、貴重な追加点となるタイムリーを放ったのが筒香嘉智。熾烈な外野争いでスタメン出場が減っているかつての主砲は、CS4試合出場で安打はこの1本だけだが、ベンチにいればここ一番での切り札として、相手チームにプレッシャーを与えられる存在になることは間違いない。

*****

前回日本シリーズに出場した2017年と同じレギュラーシーズン3位からの進出、さらに相手も同じ福岡ソフトバンクが相手となった26日からの大一番。2勝4敗で敗れた17年のリベンジを果たして1998年以来の日本一となるか、期待しましょう。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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