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オリオールズvs.レンジャーズ
110敗と102敗。これは現地10月7日(日本時間8日)にボルティモアで開幕するアメリカンリーグのディビジョンシリーズで対戦する2チームの、わずか2シーズン前の黒星の数である。
そう、これから始まるベスト・オブ・ファイブの戦いは、ともに勝率3割台のドン底からわずか2シーズンでディビジョンシリーズに進出するという、超特急のチーム再建に成功した球団同士の対決なのである。
今季リーグトップの101勝を挙げたオリオールズは、所属4球団が勝ち越し、うち3チームがポストシーズン進出を果たすなど、史上稀に見る激戦区となった東地区を制覇しており、高い次元で投打・攻守のバランスが取れた王者には、ア・リーグ第1シードの獲得がフロックであったことを感じさせる要素はどこにもない。
その若手選手の躍動する進境著しいチームにあって、最も注目を集めるのが、2年目ながらすでにスーパースターの地位を確立した捕手のアドリー・ラッチマンだ。捕手としてのスキルと打撃力はMLB最高クラスであり、素晴らしい人格者でもある彼は、若手ながら抜群のリーダーシップを発揮し、チームをポストシーズンへと牽引した。
事実、オリオールズは彼がMLBでデビューし、主力に定着した昨年に勝率を5割以上に戻しており、この2シーズン実績が、ラッチマンを押しも押されもせぬ中心選手足らしめているのである。
そんな若きスター捕手のラッチマンが、今季一気に台頭したカイル・ブラディッシュや、グレイソン・ロドリゲスといった若手先発投手に加え、今季キャリア初の2桁白星を挙げたディーン・クレマーらとバッテリーを組み、ア・リーグ最強打線を誇るレンジャーズにどのようなゲーム運びを見せるかは、かなり興味深いところだ。
そのレンジャーズの「ア・リーグ最強打線」という表現に誇張はなく、マーカス・セミエン、コリー・シーガー、アドリス・ガルシアらを擁するテキサス打線は得点、打率、出塁率、長打率、本塁打の各カテゴリーでリーグ首位の数字をマークしており(本塁打は1位タイ)、敵地で戦ったレイズとのワイルドカードシリーズでも、その破壊力を遺憾なく発揮している(4-0、7-1で2連勝)。
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