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野球 コラム 2022年2月17日

【広島好き】ゴッホ向井ブルーの「菊池涼介『ぬるま湯に浸かる気はない』。若手を引っ張り、引っ張られるキャンプ」

野球好きコラム by ゴッホ向井ブルー
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広島好きコラム

春季キャンプ第2クール最終日の夜、菊池涼介選手から突然電話がかかってきた。

「うい、今広島なの?」
「はい!そうです!」
「あけましておめでとう」
「いや1月に静岡自主トレで会いましたよ!」
「あれ?そうだっけ?印象薄いから忘れてたわ」

コロナ禍でなかなか選手取材ができない中、菊池選手は「ゴッホ、ネタなくて困ってるだろ?」とたまに電話で小ネタを提供してくれるのだ。

「なんか最近の小ネタあるかなー。あ! まっちゃん(松山竜平選手)が6キロ減量したってやつ、さほど変わってないから!」

松山選手のネタから始まり、現在行われているキャンプでの出来事などを1時間20分に渡り、ノンストップで聞かせてもらった。

最初に、このキャンプで菊池選手が若手たちにアドバイスをしていることについて聞いてみた。

「俺、コーチじゃないから『菊池塾』って言われ方は嫌なんだよね。別に自分的には仲間と一緒に練習してるだけ。ノッカーのテツさん(小窪哲也一軍内野守備・走塁コーチ)も一緒に混ざって『今のはこうなんじゃない?』とか、みんなで意見を出し合いながらやってる感じ」

あくまでも感覚としてはコーチと選手のような立場ではなく、同じ選手目線で会話をしているとのことだ。そんな菊池選手に次々と気になる選手のことについても聞かせてもらった。

ゴッホ「新しく野手キャプテンに指名された野間さん(野間峻祥選手)はどうですか?」

菊池「野間キャプテンはねぇ、本人は少しやりづらいとは思うよ、まだ完璧なレギュラーではないし。ただ周りからの期待もずっとあるからね。ハッパかけられたと思ってやってくれたらいいかな。グラウンドで表情とか動きを見てると『今年はやろう』って気持ちは伝わってくる。大変だけど、頑張ってほしいな」

ゴッホ「このキャンプで堂林さん(堂林翔太選手)とも一緒に特守をやっていましたが、菊さんから見ての堂林選手と、あとはどんな話をしながら練習をやっていたんですか?」

菊池「んー、パッと球場を見渡したときに『もう翔太も中堅かあ』って感じたんだよね。後輩たちが増えてきた分、立場上ピリッとしてる部分もあると思うよ。

この前一緒に特守をしたときは『スローイングがちょっとこわい』って言われたから、『こういう方がスムーズじゃない?ボールを取ってから投げるまでのリズムもいいし』みたいな感じで一緒にお互い思ったことを意見交換しながら練習した感じかな。動画を撮ったりして、それを見ながらテツさんとも一緒に話し合ったりするね。

この日は1時間くらいやったかな。でも、結局最終的には自分のやりやすい形を探すのが一番なんだよ。身体の大きさが違えば同じゴロをさばくときでも身体の使い方や、やりやすさが変わるからね。アウトにできる確率が良くなるように練習はしてるけど、結局俺は『試合になったらどんな形になってもアウトになればいい』と思ってるから」

ゴッホ「ちなみにルーキーとはどんな絡みがありましたか? あと育成で今年からサードにコンバートした二俣選手のキクさん視点の評価を聞きたいです!」

菊池「中村ケン(中村健人選手)と末包(末包昇大選手)は社会人卒だから元々しっかりしてた。練習でもいい声出てるね。腹からしっかり声が出てる。明るいし頑張ってるかな。ただ、ここからは良い子ってだけじゃなく図太さも出てきたら楽しみだね。

三又又三(二俣翔一選手)はバッティングもパンチ力あるし、スローイングもいいと思うし、サードもこなしてるかな、良い選手だから楽しみだね」

と、誰の名前を出しても返ってくる。視野の広さとコミュニケーション力の高さに驚いた。

ちなみに、当たり前のように突然三又又三さんが登場したが、二俣選手はチームメイトからは『マティ』と呼ばれ、キクさんだけは"三又又三"と呼んでいるらしい。

連日、兄貴的ポジションで若鯉たちと話しながら練習をこなす菊池選手を目にするが、最初に一緒に特守をやってからは小園選手や羽月選手の方から「キクさん!今日もお願いします!」と言ってくるようになったそうだ。

他にも投手陣のランニングに参加してからは「キクさん、今日ももちろん全部走りますよね?(笑)」と言われるようになり、全部参加したとのこと。

河田ヘッドコーチからは「キク、無理すんなよ。身体痛いとこないのか?」と心配されたそうだが、「全然痛いとこないんすよ、すみません(笑)」と返したという。そんな菊池選手に後輩たちとの練習の中で、何を意識しているのか話してもらった。

「最初にも言ったけど、後輩を指導してるって感覚じゃなくて、実は自分で再確認してる時間でもある。『あーこうだったな』とか、若さを分けてもらいながら一番大事な基本を思い出させてくれる。

ふと、そんなときに思い出したのが、『思い返せば、新井さんもそうだったな』って。もちろん新井さんと比べたら俺なんてまだペーペーだけど、昔俺も『新井さんもう終わりですか?』とかってハッパかけてた(笑)。そしたら必ず『よし、やるか!』ってやってくれてたんだよね。

だから今、俺が感じるのは『実は引っ張っているようで、若手に引っ張ってもらってる』って。ぬるま湯に浸かろうと思ったら、いくらでも浸かれる。俺はそんな選手じゃないと自分では思ってる。だからキツい時でも、自分でケツ引っ叩いて動かないと。ぬるま湯に浸かる気は今のとこはないね」

2022年、まだ春季キャンプの途中だが、チームの未来のために、そしてもちろん、自分自身のために本気で野球に人生を注ぐ菊池涼介が笑顔で佐々岡監督を胴上げする姿を見たいと心の底から思った。

そして最後に「菊さん、長時間ありがとうございました!小ネタいろんなとこで使いますね!」と伝えたら「この盗作野郎!」と言われたので「ゴッホが盗作って響きやばすぎますよ!」って返したらすぐに電話切られた。

文:ゴッホ向井ブルー

ゴッホ向井ブルー

広島県大竹市出身。アメトーーク「広島カープ芸人」出演。1990年2月生まれのカープファンで3連覇を全て現地観戦。広島ホームテレビ「みみよりライブ5up」の月曜レギュラー。同じ月曜レギュラーの北別府さんとゴッホがクイズコーナーで不正解を出し続けた結果、コーナーが別の曜日に移動した。地元のおじいちゃんおばあちゃんからは名前が覚えづらいらしく「カープくん」と呼ばれている。

>>Instagramアカウント
@goghmukaiblue(https://instagram.com/goghmukaiblue/

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