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野球 コラム 2021年10月6日

【中日好き】藤井淳志、藤井淳志という生き方

野球好きコラム by 森 貴俊
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藤井淳志

2021年9月。藤井淳志は現役に別れを告げる決断した。10月5日、引退会見に藤井は着席した。僕が投げかける質問に淀みなく答えるのも16年の証明だ。同時に今、キーボードを叩きながら16年の時間の速さに切なくもなる。

2006年。僕が感じた第一印象は「自信家」だ。斜に構え、必ず結果を出すと自信を持っている若者。それが入団時の藤井淳志だった。16年の時間をゆっくり頭の中で振り返ると、ここに彼の残した数字を並べる事が馬鹿らしく思える。数字以上に藤井はドラゴンズファンの記憶に残った。

何かをしてくれる。大一番になればなるほど何をするか分からない。そんな魅力が藤井にはあった。月並みな表現だが記録より記憶に残る男だった。彼の現役生活を一言に集約するなら「人間味」だと思う。

時代は変わった。今の選手は“この発言をしたらこう思われるかもしれない“そんな恐怖心を抱きながらコメントに保険をかける。悪い事ではない。それが今のスタンダードでありスマートとされる時代だ。しかし藤井はそれを無視し続けた。思った事を口にする。感じた事を顔に出す。喜び、悲しみ、悔しさ、怒り、ムカつき。全てを素直に表現してきた。

会見の場で藤井は「落合監督の時、もう少し大人になれていれば、一皮むけていたら、また違っていたのかもしれない」と話した。本心か、会見でのビジネスライクな言葉か、今となってはどちらでもいい。そうしなかったから藤井淳志なんだと思わせてくれる。

精神論が嫌われる時代になった。コロナ禍で取材や選手への接触が厳しくなったこの2年、藤井は2軍で汗を流し続けた。誰よりも声を出し、常に笑顔で若い選手に示してきた。遠くから見るその背中はまるで「技術以上に大事なことがある」次世代の選手へそう語りかけているようにも見えた。

出会って数年は取材する側とされる側だった。何がきっかけかは分からない。いつしかお互いが距離を縮め、藤井は僕に本音をぶつけてくれるようになった。時には本気の愚痴を聞いた。後輩への熱い期待を聞いた。朝まで酒を酌み交わし記憶がないほど語り合った。そして笑い飛ばした。

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