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クライマックスシリーズ出場に湧いた1年前から一転しての最下位。これ以上ない悔しい順位が決定した今季終盤に、17年目のベテラン今江年晶は黙々と打率を上げていった。
練習中にこぼれるトレードマークの”笑顔”も変わらない。動きにムダがなく、誰よりも早くに試合前の練習も切り上げる。今江はどんな思いでバットを振り、シーズンを過ごしたのか。
◆「悔しい」「もっとできる」。笑顔に秘めた覚悟と決意
練習上がりの今江に尋ねると、少しの沈黙と重い空気が流れた。早歩きをしながら、ボソリと言う。「悔しいですね…」。爽やかな練習姿とは別人のように俯いて、チームの低迷を嘆いた。
立ち止まると、続ける。「個人としては、試合には出られた。出させてもらえた。でも、これだけ出させてもらえた以上、もっとやれたという思いもある。でも、そんなことは言ってられないし、取り返しはつかない」。
「(自分は)来年以降もどうなるかはわからないですけれど、今年の反省をしっかり生かして、来年は最高の形になれるように…とは思っています」。
千葉ロッテの看板選手として、2度の日本一と日本シリーズMVPに輝いた経験を持つ。2016年から楽天イーグルスの一員となったが、度重なるケガに苦しみ、移籍3年目でようやく規定打席に到達。
通算100本塁打のマイルストーンも通過し、シーズン打率.276で終えた。復活への手応えがあるかと思ったが、厳しい表情を崩さない。
「これまでの成績と比べたら、2割7分台なんて恥ずかしいぐらいです。規定(打席)行くのも、ずっと試合に出るのも当たり前でしたし。でも、これが現実。糧にして頑張るしかない」。
「もちろん、今後もシーズンを通して、レギュラーで出ていく自信はあります。でも、今季も開幕戦で結果を出しても、(その後)試合に出られなかったりと、いい意味でも悪い意味でも期待されていないと感じました」。
「自分は生え抜きじゃないし、チーム事情とかいろんな兼ね合いがあるのも事実。だから、そこは割り切って、使ってもらった時に、自分のパフォーマンスを出せるようにするしかない」と覚悟をにじませる。
練習を早くに切り上げたのも、自分の身体の状態を考えてのことだったという。シーズン終盤だけに、これ以上の疲労が残らないよう、集中して練習して早くに引き上げれば、少しでも長く身体を休めておくことができるからだ。
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