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24日に大阪ガスの初優勝で幕を閉じた第89回都市対抗野球大会は、若手野手の活躍が目立った。
橋戸賞、首位打者賞を獲得したのが近本光司(左投左打)だ。彼は大阪ガスの「5番センター」として、5試合で21打数11安打5安打を記録した。
近本は170センチ・70キロの小兵だが、準決勝では決勝ソロ本塁打も打った。昨夏の都市対抗は三菱重工神戸・高砂の補強選手として出場して5打数3安打を記録し、今大会も5試合中4試合でマルチ安打を記録。
決勝戦こそ、4打数1安打にとどまったが、2点目のセンター前タイムリーを打っている。5試合で4盗塁を記録した俊足も光った。関西学院大学から入社して2年目の彼は、走攻守が揃った外野手として、今秋のドラフト上位候補になるだろう。
大阪ガスは小深田大翔(右投左打)も大活躍。「2番ショート」として起用され、20打数6安打5打点の活躍で若獅子賞(新人賞)に輝いた。
近畿大学時代は1回生の秋からレギュラーに定着し、通算107安打を記録したアベレージヒッターだ。168センチ・67キロと小柄で、入社1年目だから今秋のドラフト会議には絡まないが「打てるショート」は貴重だ。
NTT東日本の優勝に貢献し、昨夏の橋戸賞を獲得した福田周平(現オリックス)も169センチ・69キロの小兵だった。
しかし、彼は既にプロの即戦力として出場機会を得ている。清宮幸太郎のような大物打ちではなくても、チームの勝利に貢献する「職人」をプロに輩出するのが社会人球界。今大会もそういう人材は事欠かなかった。
一方で投手陣は「オーバー30」の活躍が光った。久慈賞を受賞したが守安玲緒投手(三菱重工神戸・高砂)だ。彼は1回戦、準々決勝、決勝の3試合に先発し、23回3分の0を自責点「3」に抑えた。
守安にフォームやボールの力強さはなく、速球もほぼすべて130キロ台。しかし、判別の難しい「紛らわしい」変化球と、大会通算3四死球という制球力、打者を観察する知性で、好投を続けた。
入社9年目、31歳の守安が「ドラフト候補」として挙がることはない。しかし野球好きを唸らせる投球術は進化を続けていて、今大会は彼が社会人野球の“レジェンド”として名を高めた大会だった。
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