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野球 コラム 2018年4月15日

【中日好き】笠原祥太郎、粘力

野球好きコラム by 森 貴俊
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昨シーズン1勝のルーキーが開幕3戦目を託された。大出世、そう言っても過言ではない。ベテラン勢の山井、吉見。同じ左腕の大野雄大との競争の中、開幕ローテを勝ち取った。

新潟生れの朴訥とした青年は、その人柄が野球にも表れている。キャンプから決して派手なパフォーマンスは無い。淡々とメニューをこなし実戦では安定感のある数字を並べる。

ピシャリ無失点も無いが、大量失点ノックアウトもない。本人は「そこまで意識はしていないです」と話すが、投げる日はQS(6イニング以上自責3点以内)の範囲内に収めてくる。

塁上ランナーが出ても、不思議と粘り切る力がある。笠原は「昔からイニング先頭に連続四球の後、三振3個とか、そんな投球していましたね。そりゃピシャリと抑えたい願望はありますが、不思議と僕はそうならないんです」と話す。

逆を言えば、大量失点KOの記憶もほとんどない。「大学時代、1度大量失点で何ともならない試合はありました。はっきり覚えています。悔しかったですね。でもその試合以外は…。記憶にないですね」と笑って話す。笠原は持って生まれた粘り強さがある。

新潟医療福祉大学時代出身、強豪大学と比べれば決して恵まれているとは言えない。大学時代の部員はだいたい100人くらい。うち40人の投手がいる。一人の投手コーチが約40人の投手を見る。ブルペンはわずか3つ。外にもあるが冬場は使えない。

去年、笠原はこんな事を言っていた。「コーチにこうなっているとか、色々言われるんですが、正直よく分からない。今までフォーム一つとっても細かく練習したことがないんです。鈍感というか、自分をまだよく理解していないんですよ」。

これまで笠原は野球では、名門とは言えない経歴を歩いてきたといえる。練習も試合も自分で考え、自らの力で答えを出してきた。

開幕3戦目、広島戦は6回8安打4失点。「チェンジアップが良くなかった。抜けの感覚が悪い。肘から押し出すように投げてしまった」と反省を挙げ、自身2度目の登板を迎えた。

京セラドームの阪神戦。6回5安打1失点。勝ち星はお預けになったが、見事な投球だった。

「チェンジアップは修正できていなかった。少し良くなったくらい。でも、阪神打線がカーブを嫌がっているように感じたんで、カーブを上手く混ぜながらいけば何とかできるかなと感じていました」と話す。

力でねじ伏せてみたい願望はあるが、マウンドでそれを追い求めることはない。笠原は自分の投球に対してけっして背伸びしない。“その日にできる投球“を素直に出そうとするのが笠原の魅力、それが粘り強さに繋がっている気がする。

開幕3戦目のマツダスタジアム。笠原にとって自身の開幕。しかし、本人は「緊張しなくて、逆に大丈夫かなって思いました」と話す。直前になって平常心すぎる自分を不思議に感じていた。

自信があるのか無いのか、「どうなんでしょう。よくわからないです」と答える笠原祥太郎。どちらかと言えばいじられキャラ。年下の小笠原や若松に、時折出る新潟訛りをいじられる。

しかし、決して怒らない。笑って受け流す。普段着にもあまり興味がない。ファストファッションで過ごす笠原は街を歩いていてもごく普通の青年だ。

新生ドラゴンズのローテを担う笠原祥太郎。2年目のシーズンは大化けする可能性を秘めている。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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