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石坂(左)と一条(信州松本トライデンツ)
組み合わせが決まったとき、真っ先に込み上げてきた感情は色に例えるなら真っ黒に近かった。
「終わった、と思いました」と石坂 朋也(いしざか・ともや)が言えば、一条 太嘉丸(いちじょう・たかまる)も「絶望、ですよ」と表現する。もちろんジョークもまじえてだが、もっともっとチャンスがほしかったのが本音だ。
8月14日~16日に藤沢市鵠沼海岸(神奈川)で行われた『ビーチバレージャパン JVA第40回全日本ビーチバレーボール選手権大会 男子』。その全国大会に長野県代表として、大同生命SVリーグの『信州松本トライデンツ』から参加した石坂と一条の2人は、そんな胸中で大会初日の第1戦に臨んでいた。
東京グレートベアーズ 2026-27 プレシーズンマッチ
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東京グレートベアーズ vs. サントリーサンバーズ大阪(08/22)
8月22日(土)午後2:10 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
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東京グレートベアーズ vs. サントリーサンバーズ大阪(08/23)
8月23日(日)午後0:10 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
これまでの経緯を振り返ると、まずは石坂が今年からビーチバレー選手として活動することを表明し、そのペアとして攻守でバランスのとれた一条が抜擢される。チームが拠点を置く長野県上伊那郡南箕輪村から近い場所にはサンドコートが敷かれた施設があり、チームもこのオフ期間はトレーニングの一環として週に1度、ビーチバレーを練習に取り入れていた。
初戦で強敵と対戦した2人
果たして7月10日にはSVリーグ勢による、『アクティオビーチバレーボールエキシビションマッチ横浜 SV.LEAGUE MEN』に出場すると、見事に優勝を飾っている。そこでは1ヵ月後のビーチバレージャパンへ向けて「インドアにないようなアイディアを出して、試合を面白くしたい」(一条)、「1つでも多く勝てるように楽しくやりたい」(石坂)と意気揚々と口にしていた。
だが、そんな思いは組み合わせが決まったときに打ち砕かれた。1回戦の対戦相手は今年のジャパンビーチバレーツアーで、出場した3大会全てに優勝を果たしている水町 泰杜(トヨタ自動車・ウルフドッグス名古屋)/黒澤 孝太(トヨタ自動車)組。
大学時代から交流もあり、とくに黒澤とは石坂も一条も「ビーチバレーで対戦してみたいね」と会話していたというが…まさかの初戦でぶつかることになったのである。
ストレートで敗れ1回戦敗退
「(ビーチバレーの国内大会における)ポイントがないのでノーシードからスタートするのはわかっていましたが、上手な選手たちと戦いつつ、あわよくばベスト8くらいまではいけるんじゃない?とにらんでいました」と明かす一条。しかし「一番、それが実現できない組み合わせになりました」と石坂は苦笑いを浮かべる。
いざ試合では、第1セットは一度もブレイクを奪えず、さらに第2セット早々には水町のアタックが一条の顔面にヒットし、サングラスが壊れてしまう。額から出血し、バンデージで応急処置を施してプレーを再開するというハプニングにも見舞われた。結果的に0-2(6-21、15-21)と完敗で、初の全国大会は幕を閉じた。
聞くに、チームも7月のエキシビションマッチを1つのターゲットとして砂の上でのトレーニングを取り入れていたそうで、それ以降はSVリーグの2026-27シーズンへ向けた調整の兼ね合いからビーチバレーの練習機会はなかった。
砂の違いにも苦戦
加えて「違う質の砂に慣れることができず、それがもろに影響しました。いつもやっているサイド攻撃や、石坂選手のライト平行のアタックが全然できず、そこはビーチバレーの練習不足を実感しました」と一条は唇をかんだ。
それでも収穫がなかったわけではない。ビーチバレー挑戦初年度の石坂は「高いレベルを肌で感じることができたのはよかったです。それにスパイクも打っていけば決まる、ということもわかったので。あとは来年に向けて、今日感じたことを活かしていきたいです」と前向きにコメント。
この2026-27クラブシーズンはVリーグの『長野☆GaRons(ガロンズ)』へ期限付き登録で加入する石坂は、インドアに励みつつ、来年のビーチバレー活動へ準備を進めていく。
「実際にビーチバレーをやってみて、本当にできないことばかりですべてが新しい感覚でした。いろんなことに挑戦できることもそうですし、そこで成長できているという実感がビーチバレーではとても強い。それはおもしろいですね!」
ハプニングも収穫もあった大会だった
一方の一条も、少ない出場時間に終わったルーキーイヤーを経て、SVリーグでの2シーズン目を強いまなざしで見据える。
「まずは去年(2025-26シーズン)よりも1試合でも多く試合に出ることが目標です。今回、ビーチバレーを通して得たものは確かにあると感じています。
実際に(インドアでの)オーバーハンドパスもビーチバレーのように捕球してボールをコントロールできるようになっていますし、レシーブの範囲や反応もこれまで以上によくなっている感覚があるんです。それを活かして、いかにチームに貢献できるかを考えながら2026-27シーズンを過ごしていきます」
勝負事である以上、結果に対するふがいなさを覚えずにはいられなかったが、同時に手応えもあった。そして競技を通して、成長できている喜びも感じられた。
湘南の海に走り出す2人
これでひとまずは、今年のビーチバレー活動は終了となる。普段は山々に囲まれた場所で活動する2人は大会を終えると即座に、湘南の海へと繰り出したのであった。
文/写真:坂口功将
坂口 功将
スポーツライター。1988年生まれ、兵庫県西宮市育ち。
「月刊バレーボール」編集部(日本文化出版)で8年間勤めたのち、2023年末に独立。主にバレーボールを取材・執筆し、小学生から大学生、国内外のクラブリーグ、そしてナショナルチームと幅広いカテゴリーを扱う。雑誌、ウェブメディアへの寄稿のほか、バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説も務める。
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