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圧巻のリレハンメル、ナイトゲーム2試合だった。
荒れる風、巻き上げる強風、いくばくかの恐怖心。
そこを日本チームの全員が果敢にアタックをかけていった。
積極果敢、タフなまでに。
しかもステップから見上げるほどの高さの竹内択(北野建設)、低く伸びやかなフライトをみせる葛西紀明(土屋ホーム)、2本しっかりとまとめる安定感のある伊東大貴(雪印メグミルク)、それに続けとばかりに良き経験を重ねる清水礼留飛(雪印メグミルク)と、ノルウェータイプの長身ジャンパー渡瀬雄太(雪印メグミルク)と個性派揃いのいまのジャパン。
落ち着きの竹内、表彰台2位。
微妙なサッツ遅れが2本ながら後半に風に乗っていった伊東。
レジェンドとして会場から喝采の拍手が響く葛西、その4位の悔しさといったらもう大変だったが。それも彼のモチベーションの高さを充分に堪能できて、まだまだイケるとあたりに振りまく微笑ましさも。
今季、立ち上がりの日本チーム、早くも台風の目そのものだ!
そこにひとつの飛べる秘密があり、しかとリレハンメルで実証できたが、書くのはいまは時期が許さない。しばしときを。
さて、気になる欧州勢では、やはりシュリレンツアウナー(AUT)の風を味方にする素晴らしきスキー操作は健在この上なく、勝利して当然の見解でもある。
強者バーダル(NOR)も好調、にこやかにジャンプ台を攻めている。またヤコブセン(NOR)は膝のリハビリから復帰、今後、調子を取り戻してくるであろう。
フロイントやべリンガー、いぶし銀ノイマイアに新鋭ガイガー、軍人の姿勢が好ましいヴァンクなどなど、キャラクター豊富なドイツにも注目。
はたまたジラとストッフらの若きポーランドに、テペシュがたくみに若手のプレフツなどをリードするスロベニアもあなどれない。
次なるドイツシリーズ、地元応援団がものすごく集まるところ。
ややバックの風が気になる黒い森南部に荘厳とたたずむシャンツェ、ティティゼー・ノイシュタット。
その風を健やかに受けつつ華麗なまでに飛距離を伸ばしていくジャパンだ。
今季、最高の入りをした。
さあ、コンスタントなひとケタ進出で、さらなるW杯出場枠の獲得をめざしていこう。
〔写真3〕あざやかなまでに3位に入ってきた伊東大貴(雪印メグミルク)
〔写真4〕圧勝の混合団体日本。左から伊藤有希(土屋ホーム)、伊東大貴(雪印メグミルク)、竹内択(北野建設)、高梨沙羅(クラレ)(クリックで写真拡大)
Photo&Text 岩瀬孝文
岩瀬 孝文
ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。
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