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今シーズン日本チームで唯一表彰台に上がっている中村直幹
なかなか成績が出てこない。どうしたのか日本チーム。
シーズン序盤戦は、一桁入りがようやく。昨シーズンの序盤では、しばしば頂点に立つなど表彰台を獲得し、小林陵侑のジャンプ週間制覇と五輪での金・銀メダル獲得、そしてチームメダルにも王手をかけていた日本。
ただ、今シーズンはそう簡単にはいかず、表彰台は遠い状況にある。
しかし、そこで短絡的にダメな日本チームと言い出すのはよろしくない。希望を持って考察してみることが望ましいだろう。メダルを得ることだけがスキージャンプではないのだ。もう少し欧州の強豪チームのごとく大らかなスタンスを持ち、選手に愛情をかけながら応援するという好ましいスタンスを持ちたい。
なにもあくせくすることはない。勝つときはしっかりと勝つ、その実力が日本チームの各選手にはちゃんと備わっているのだから。
■ルール改正にあえぐ佐藤幸椰
「考えてみて貰えますか、普通、スキーが6cmも切られたら飛べますか?」
雪印メグミルクの敏腕サービスマン鈴木彰さんと、名寄で久しぶりに話をすることができた。いつも口数少なくしかも実直な彼と、静かにあれこれと話しをするのは実に楽しいひと時となる。もちろん常日頃から忙しく素晴らしい集中力を持ってチューンナップしているため長時間とはいかない。ほんの一言から三言くらいだ。
佐藤幸椰(雪印メグミルク)
でも長年のつきあい。鈴木彰さんが名門北海学園大学スキー部で活躍していた時代に、当時爆発的に売れていた月刊スキーグラフィック編集部のアルペン担当として現場に出ていた1980年代後半の話だから、どれくらいになるのだろう。いまだ現役でさらに腕を磨き上げる鈴木サービススマン。その頃の若い笑顔と姿は何ら変わらない。
あまり内情を言えないのと、そこまでは聞かないのが礼儀でもあるから。とはいえ、そのとおりの6cmカット、いや、これで飛べというのは無理でしょう。
このような状況下で、当事者の佐藤幸椰(雪印メグミルク)は健気にSNSに書き記す。
『くさらず、ひたむきにやっていれば、きっと良いことがあります。だからいまは歯を食いしばって飛び続けるだけです』
この理由が不透明なルール改正は、ライバルにあたるスキーメーカーの所業という噂もあるが、それには確証が乏しい。本当にいい加減にして欲しいところだ。
ひたむきに前を向いて進むだけである。礼儀礼節ある佐藤幸椰選手に幸あれと、しっかりと見守り、そっと、背中を押してあげたい。
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