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アンバー・グレンがパーフェクトな演技で初のシニア全米王座へ「あらゆるハードワークが報われた。長い旅でした」 | 全米フィギュアスケート選手権2024 女子シングル レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部「今夜のパフォーマンスは、私がお見せしたかったものではありませんでした。初めてのナショナルタイトルを、こんなやり方で獲りたかったわけではありません。それでも、勝てたことに対しては、感謝の気持ちにあふれています」
クイアを公言する女性フィギュアスケーターとしては、初めての全米選手権制覇だった。LGBTQIA+の象徴である「プライド」フラッグを肩に羽織り、グレンはリンクで誇らしげにウィニングランを行った。
「カムアウトした時は怖かった。これが私のスコアになにか影響するかもしれないと恐れました。でも若い人たちが、『私たちも自分自身を隠そうとする必要などないのだ』と、リンクでの環境をより快適に感じている姿を見ると、公言した価値がありました。こういう側面を持っているからという理由だけで、あなたがトップアスリートになれないという意味にはならないんです」
また今回の優勝を受けて、グレンの自身2度目の世界選手権行きが決まった。同時に大会翌週に中国・上海で行われる四大陸選手権は、出場を辞退。すぐに練習拠点のコロラド・スプリングスに帰り、休養と再調整に入るという。なにしろ2025年ワールドは母国アメリカのボストンで執り行われる。アメリカ女子に「3枠」を絶対に持ち帰らねばならないと、新全米女王は大いに意気込んでいる。
逆転劇はひとつではなかった。ジョセフィーヌ・リーはSP5位から一気に10点近い差を詰めて、銀メダルへとジャンプアップを果たし、サラ・エヴァーハートもSP6位から4位ピューターメダルを手にした。2月に16歳になる前者も、17歳の後者も、いわゆるノーミスの演技を2本そろえた。スピンやステップでほんのわずかなレベルの取りこぼしはあったものの、丁寧に、すべてのジャンプを成功させた。今季前半戦はジュニアグランプリを戦った10代の2人の、大きな躍進だった。
一方で2年前の全米ジュニアチャンピオンのクレア・セオは、SPで3位につけながらも、FSでは上手くジャンプが決まらずトータル5位に陥落。今季のNHK杯2位の実力者リンジー・トルグレンもまた、ジャンプに苦しんだ。故障を抱え、3回転ジャンプの練習を、大会前週にようやく再開したばかりだったという。SPではぎりぎり4位に食い込んだが、最終的に7位で大会を終えた。
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