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「すごい、憧れです。スケーティングが深いじゃないですか。スケーティングをどれだけ深くできるか、真似してやっています」
彼の演技の素晴らしいところは、羽生結弦さんに憧れて真似たという深いエッジワークに加え、その上に上半身の表現が乗っているところだ。ノービス年代でこれが出来る選手はそうそういない。だからこそ今回、高く評価されたのだ。
「上半身だけでは駄目だと思うし、林先生にもそう言われて、自分でもそう思うので、下半身と上半身が連動していないといい点数が出ないと、自分の中では考えています」
現在、林祐輔コーチに師事している。「本格的にメインコーチになったのは去年から」とのことだ。現在はトリプルアクセルを教わっており、「もうあと降りるだけ、のところまで来ています」と頼もしい言葉を聞かせてくれた。
翌日のフリーは素晴らしい出来栄え。演技終了と同時に力強いガッツポーズを見せてくれた。
「緊張してガチガチになっていたんで、いい演技ができて良かったです」
フリーのスコアは124.14。ノービスの選手でこの点数はすごいの一言。将来に向けて手ごたえを掴めた大会になったことだろう。
「本当にもう、自分でもびっくりしています。期待以上でした。来季はトリプルアクセルを、完ぺきに跳べるようになったら入れようと思います」
林コーチの下、基礎から技術をしっかり身に着けていることが良く分かる演技だった。放送、配信で彼の演技をご覧になる方には是非注目していただきたい箇所がある。2A+3T+2Tの3連続ジャンプ、最初のダブルアクセルを小さく抑えて跳び、二つ目の3トウループを大きく跳ぶ、いわゆる“アクセルトウ”のお手本のような跳び方。いかに基本に忠実に良く練習しているかが伝わってくるエレメンツだった。また、インタビューでも大人びた受け答えの様子に驚かされた。まるでメディア向けのキャラクターを確立しているかのようだ。彼には無限の可能性がある。来季、そしてさらに先の活躍がますます楽しみになった。
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