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17歳の三浦佳生が史上最年少優勝で歴史に名を刻む「自分自身を、誇りに思います」 | ISU四大陸フィギュアスケート選手権2023 男子シングル レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部なにより「美女と野獣」のビーストになりきった熱演は、アリーナ全体を陶酔させた。標高1800mの高地で、最後までダイナミックに表現し続けた。クライマックスのコレオステップシークエンスとスピンコンビネーションは、いずれも自己最高の評価を得た。音楽が終わった瞬間、成功を確信し、三浦は何度も、何度も拳を握りしめた。
「しっかり抑えるところは抑えつつ、緩急をつけながら滑ることができました。こういう演技をすることができた自分自身を、誇りに思います」(三浦)
得点はこれまでのパーソナルベストを一気に11.40点も上回る、189.63点。トータルの281.53点も当然パーソナルベストで、今季の得点ランキングでは2位という、とてつもないハイスコアを三浦は記録した。日本男子としては史上7人目(9度目)の四大陸選手権チャンピオン。しかも17歳8か月での四大陸制覇は、男子シングルとしては、あのネイサン・チェンを1か月抜いて史上最年少だった!
「正直に言って、これぞ、僕が競技を離れる最高のやり方だと思っています。次の世代にバトンを渡す。彼のようなファンタスティックな選手と共に表彰台に上がれたことは、光栄であり……素晴らしい担い手にこのスポーツを託します」(メッシング)
記者会見でこう三浦を絶賛したメッシングは、20年近いキャリアの終わりに、自己最高地点へと到達した。
決して「数字」は追い求めていなかったという。ただ「楽しむこと」「楽しませること」だけに焦点を当てた。だからSP冒頭の4回転トーループの転倒後も、「このせいでパフォーマンスを台無しにしてはならない」と、ひたすら最高の演技を心がけた。FSでは「地元」北アメリカでの最後の試合を、全身全霊で戦った。息が切れるのも構わずに!
「まるで世界の頂点に立っているような気分で、ただ波に乗って、最後まで駆け抜けたんです」(メッシング)
FSの188.87点もトータルの275.57点も、メッシングにとってはパーソナルベスト。そしてジュニア世界選で4位が2回、四大陸で4位が1回……と、あと一歩でチャンピオンシップ表彰台を逃してきた31歳が、念願の銀メダルをつかみ取った。
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