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第72回全国高等学校スケート競技・アイスホッケー競技選手権大会(インターハイ)フィギュアスケート競技 男子シングルレビュー
フィギュアスケートレポート by 中村康一(Image Works)「前は自分が見せたいものと現実がかけ離れていて、体が心よりも先走っていて、フィギュアスケートというよりも格闘だった感じがします。最近はやっとフィギュアスケートになれてきたと思います。スケーティングの練習も成果が表れてきていて、最近はいい演技ができていると思います」
かつては試合前にトラブルが起きたり、落ち着いて試合に臨めていなかったが、最近はそういったことがなくなった。
「精神的に大人になったのかな?と思います。自分でも前よりも考えるようになって、トラブルの解決のアイデアを思いついたり、落ち着いて臨めるようになったと思います」
ジャンプの能力に関しては、現時点でも世界のトップクラスと戦える存在だ。そしてまだ17歳、今後の伸びしろも大いに期待できる。かつては課題としていた精神面、表現力も改善され、この先どこまで伸びるのか楽しみでならない。
2位 中村俊介
中村俊介
昨年のインターハイの記事で、「壁を乗り越えるまで、本当にあと少し」と書いたのだが、その壁を今季、ようやく乗り越えてくれたと感じる。ショートプログラムは三浦選手を抑えての1位。フリーでは逆転を許したが、今季の成長ぶりがうかがえるパフォーマンスだった。
「フリーはジャンプのミスが多くて、練習よりもできなかったのでちょっと悔しいです。埼玉のリンクに入ってから4回転の調子が良くて、行けるかなと思ったんですが。4回転をミスしてもその後が崩れないように、ということを普段から意識して練習しているので、今日は後半のトリプルアクセルをミスしましたが、他はできたと思います」
その言葉通り、4回転トウループを失敗した後もすぐに立て直し、しっかりと形を作ることができた。やはりトリプルアクセルが計算できるジャンプへと進化したことが大きい。
「アクセルは、一昨年の全日本でミスしたジャンプなので、ここは絶対外したくないという気持ちで一年間やってきました」
一昨年の全日本選手権、中村選手はショートプログラムでトリプルアクセルを失敗し、ショート落ちの苦い経験をした。その経験、そしてその後の練習の積み重ねが今季の開花につながっているのだ。次は4回転を、今のトリプルアクセルと同等に仕上げたいと語る。
ショートプログラムを終えた夜には、選手仲間と焼肉に行ったそうだ。「高校生同士で集まれることはなかなかないから」とのことだったが、これもインターハイならではの光景、いい思い出になったことだろう。
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