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#3 ISU技術委員 岡部由起子さんによる「ルール改正」について(2) | 町田樹のスポーツアカデミア 【Forum:フィギュアスケートが求める理想のルール】
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部M:振付師も選手のオリジナリティ、クリエイティビティなど、やることがいっぱいある。その中で、どうやって投影をしたらいいかと悩んでいたけれど、コレオシークエンスは、それが許される。そういうことを、もっと増やしていこうということですね。よく、分かりました。選手の演技に影響するであろう主な改正ポイントは、これまで見てきた5項目かなと思います。
保留事項:ジャッジの役割を細分化
M:そして最後。気になるポイントが可決されませんでした。ジャッジを二つのパネルに分けようということですが、一つ目のパネルは技の出来栄え点。つまりGOEを評価する人たち。それから二つ目のパネルはPCS、演技構成点を評価する人たち。これに分けて、二つのパネルで採点をしていこうということが、今回、否決も可決もされずに保留となりました。「今後二年間をかけてやってみようじゃないか」とテストをして、もう一回、二年後の2024年に再び審議をしてみようということですが、この意図はどういったものでしょうか。
O:まず、役割分担が出きてきました。ジャッジには仕事がたくさんあります。GOEもして、コンポーネンツも同時に見ていかないといけない。コンポーネンツは、終わった後に思い出してというわけにはいかないんですね。メモをとって何が行われていたか、ここは曲に合っていたか、合っていなかったのか、ここは表現ができていたが、ここは表現ができていなかった、空間をどういう風に利用していたかということも含めて、ものすごくいろいろな情報を覚えておかなくてはいけません。それを点数に表していましたが、そういったことをするのは、とても大変なのは確かなことです。それなので、ジャンプがどうだったのか、スピンがどうだったのかということだけをするジャッジとコンポーネンツのジャッジを分けることによって、それぞれがもっと集中して、担当する部分を見ればいいのではないかという案から出てきています。
これに関しては、演技構成点も3つに減ってしまいました。見るものは同じですが、点数的に3つ出せばいいということになります。そのため、今回、可決できませんでした。それがあるのが一つ。それから、テストイベントをする前に決めてしまうのは大変危険ではないかということ。そして、ジャッジを分けてしまうことによって、一つの試合におけるジャッジの人数も増やさないといけません。簡単に分ければいいだろうということと、実際に試合で実施をする運営側にとってみると、それだけジャッジを多く招かなくてはいけないので、経費もかかる。そういったことも含めて、全てを考えないと現実的にはならないため、二年間かけて、実際にどうであるかをテストしてみないと、ということですね。
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