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17歳のイリア・マリニンがジュニア世界チャンピオンへ「最高のスケートが出来たことにすごく興奮している」 | ISU世界ジュニアフィギュアスケート選手権2022 男子シングル レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部今季のシャイドロフにとって、SPは常に問題だったようだ。唯一参戦したジュニアグランプリ・ポーランド大会はSP6位からの逆転銀メダルで、四大陸選手権はSP8位からのトータル5位。今大会でもスピンやステップでレベルの取りこぼしが響き、チャーミングで、少しコミカルなプログラムの魅力を十分に披露できなかった。
FSでも完璧な演技とは言えなかった。冒頭の4回転ルッツでは回転不足も取られた。しかしコンビネーションを含むその他2本の4回転は、幅のある大きなジャンプを決めた。他のエレメンツも可能な限り丁寧にこなした。FSでは159.17と自己ベストを更新。総合得点では四大陸の得点にわずか0.36及ばなかったものの、17歳シャイドロフが、234.31点で堂々世界2位の座を射止めた。
日本人3選手
自己ベストの233.82点で、19歳壷井は銅メダルに輝いた。SPは3回転ルッツに「!」マークがついたものの、プログラム全体を美しくまとめた。
FSではさらに優雅なスケートで魅せた。ジャンプのミスは最小限に留め(4回転サルコウに4分の1回転不足、3回転ルッツで不明瞭なエッジと手付き)、最初から最後まで流れは決して途切れなかった。なにより壷井の持ち味である質の高い滑らかなスケーティングが、FSでは高い評価を受け、高いPCSに反映された。初出場14位だった3年前から、大きく成長したことを、世界の大舞台で示した。
16歳の三浦佳生にとっては、初めての世界大会は、苦い経験となった。四大陸選手権銅メダリストは、3月に肉離れで、急遽代替メンバーに選ばれた世界選を欠場。シーズン最後の世界ジュニアに向けても、調整は思うようには進まなかったという。
SP冒頭のコンビネーションジャンプは3回転ルッツ、3回転トーループともに着氷が乱れた。演技後半の3回転アクセルは激しく転倒。その影響か、ステップシークエンス中にはバランスを崩すミスもあった。まさかの20位に沈み、かろうじてFS進出を果たした。
本調子であれば優勝候補に上げられるはずの三浦は、ひどい「悪夢」の中、最後まで戦い抜いた。SPで失敗した3回転アクセルは、FS冒頭で大きく決めた。いずれも回転不足が指摘されたが、4回転を2本着氷した。たとえ何度もジャンプがすっぽ抜けても、諦めず、投げ出さず、渾身の滑りを続けた。FSだけなら8位の演技。総合は13位だった。
また本田ルーカス剛史は、3月末に急遽出場が決まった世界ジュニアを、総合14位で締めくくった。両プログラムともにジャンプにことごとく苦しめられた。ただし成熟した表現力には思わず引き込まれ、上質なスケーティングスキルでは高評価も得ている。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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