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【田村岳斗×佐々木彰生】 VOL.2:女子のジュニアGPの選考会はすごい事になっている!
フィギュアスケートーーク by J SPORTS 編集部佐々木:本田真凜選手はどうですか?
田村:彼女は音楽表現のセンスがすごくよくて、それを演じられる雰囲気を持っている。自分でどう動けばキレイな形になるとか本能でわかっている。もう少し洗練されたらさらによくなると思うけど、それを強制しても伸びるタイプの選手じゃない。かといってあんまり放っておくのもダメ。すごく才能があって、当たればみんなが驚くような特大ホームランが打てるけれど、全試合でそれが発揮できるわけじゃないから、まだ安心して試合を見ていられないところがある。試合では何があるかわからないから、彼女だけじゃなく、コーチとしては他の選手でも安心できる試合はないけどね。
佐々木:本田選手と同世代の白岩選手はどうですか?
田村:ジャンプセンスが素晴らしい選手。コンビネーションのセカンドジャンプはトウループもループもどっちも試合で使えて、いろいろな組み合わせができる。何かあった時でも調整が利くので、どこかで崩したとしてもスコアを取り戻しやすい。そういう時に備えられるようにジャンプの練習回数も多いし、それが自信にもなっていると思います。
今はまだ詳しくは言えないけど、彼女の男前な部分はとても大好きです。
佐々木:紀平選手のトリプルアクセル+トリプルトウループを見てびっくりしました。女子選手の軽いジャンプとは違いますね。
田村:彼女もジャンプセンスがあります。アクセルに限らず、他のジャンプも質がいいので全体のバランスがいい。今シーズン中にトリプルアクセルをなんとか試合でキメたい※。ジュニア1年目、失うものはない立場なので、よっぽど調子が悪くなければガンガン挑戦していく事になると思います。(※編集部注:8月25日取材)
佐々木:インターハイでは、5種類のトリプルジャンプを跳ぶ女子選手がたくさんいるみたいですね。どれだけ上位の選手でも、1つのジャンプで順位がどうなるかわからないですよね。
田村:女子のジュニアGPの選考会は、今すごい事になっている。今回代表になれなかった選手でも、次に試合をやったらその選手が優勝する事もあると思う。そのぐらい実力が拮抗しているし、日本の選手層は厚い。
佐々木:この先、日本のフィギュアスケートがますます楽しみになりますね。
●僕が選手の時は、所属していたリンクには他に代表選手がいなかったので、同じ練習に何人も代表選手がいる環境が想像も出来ません(笑)。だからノービス、ジュニア、シニアと選手を多く抱える先生たちが、最大の目標である4年間をどのように考えていくのか?とても興味がありました。2018年平昌オリンピックは2年後ですが、実質的にはもうその戦いは始まっています。2018年に向けて、次回は、今だから聞けることを岳斗先生にお伺いします。
田村 岳斗
1979年生まれ 青森県八戸市出身
1998年長野オリンピック フィギュアスケート男子シングル代表。全日本選手権は2度の優勝の経験を持つ。現役引退後、濱田美栄コーチの下で指導者への道を歩む。濱田コーチとともに、関西大学フィギュアスケート・コーチとして、宮原知子選手を始め、女子ジュニアの注目選手を次々と輩出。好評連載中のJ SPORTSオフィシャルブログ「田村岳斗-華麗なる舞-」にも注目!
J SPORTS 編集部
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