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ラグビー コラム 2026年7月8日

最終盤まで僅差!U20日本代表がU20スコットランド代表と熱闘!「ワールドラグビージュニアワールドチャンピオンシップ2026」

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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「2年前に大敗した相手に『2年前の自分たち(U20日本代表)に勝つ』というテーマで臨んだ試合でしたが、選手たちの大きな成長を実感することができました」(大久保直弥ヘッドコーチ)

2年前(2024年)、日本代表SO伊藤龍之介(明治大学)ら現4年を並べたU20日本代表は、U20スコットランド代表に10-46で敗れた。

その2年前のU20日本代表に勝つ――。

そんなテーマを掲げ、欧州ジョージアで行われている「ワールドラグビージュニアワールドチャンピオンシップ2026」プール最終第3戦に臨んだ2026年のU20日本代表。

序盤は苦難のスタートになった。

スコットランドのペナルティから敵陣ラインアウトを迎えたが、高身長が並ぶ相手FWにプレッシャーを受けたこともあり確保失敗。

直後、身長195センチのSOジェイク・ダルジールに大きく蹴り返され、処理に手こずり相手ボールスクラムに。ここからSHマフュー・フィックが南アフリカ出身らしいパワフルな突進。先制トライを浴びた。(0-7)

日本はこの日、ここまで安定していたスクラムでもプレッシャーを受けた。

スコットランドの3番は192センチ136キロ。2年前もU20スコットランド代表として先発していたエディンバラ所属のPRオーリー・ブライス・ラファティだ。

敵陣ラインアウトの確保失敗が2連続で続いたのち、このPRラファティを3番に据えたスコットランドにスクラムでプレッシャーを受ける。

セットピースが不安定になった日本は、さらに父マークが元スコットランド代表のWTBネアン・モンクリーフに中盤で突破を許すと、ゴール前密集戦の反則から1トライを失う。さらに前半18分にもPRラファティに押し込まれて失3連続トライ。

セットピースとフィジカルバトルで圧力を受けた日本のビハインドは、開始20分で「19」に広がってしまった。

反撃したい日本の初得点は前半21分。

起点は相手の反則(オブストラクション)。好機が転がり込んできた日本は敵陣右のラインアウトへ。この日初めて敵陣ゴール前に侵入した。

すると日本はこれまで失敗していたラインアウトを確保すると、2度目のモールを固めて前進。ここで先発HO津村晃志(帝京大)がトライゾーンへ。

さらに右隅からのコンバージョンをSO小林祐貴(慶應義塾大学)が成功。7点を返した。(7-21)

ここから日本が高い対応力でモメンタム(勢い)を呼び込む。

まず前半24分。中盤で相手の長所であるモールを止めきった。直後の展開攻撃で当初はトレーニングスコッドだったCTB森岡悠良(青山学院大学)が的確なタックル。直後にCTB岩倉吏臣(山梨学院大学)がスティール成功。センターコンビで攻守交代を起こした。

直後の28分にもWTB坂田弦太郎(近畿大学)が落球を誘うビッグタックル。大会初出場組も少なくない日本だったが、コンタクトレベルに適応する力を見せる。ここで敵陣に入るとPG選択で3点追加(10-19)。

前半33分、スコットランドに武器のモールからトライを奪われるが、すぐ日本もやり返す。

起点は宮崎・日向高校出身、CTB岩倉のディフェンス力。

直前に自陣でもスティールを決めたボールハンターが敵陣左でターンオーバー。ここを起点にFWが日本の武器でもあるモールを組み、なだれ込んでチーム2本目。取られても取り返す。粘り強さを発揮して11点差(15-26)と食らいつき、反撃ムードのまま前半を終えた。

すると後半、日本はスコットランドを猛追する。

後半10分に再びモールでトライを奪われたが(15-31)、日本には勝機があった。

後半になって重量級のスコットランドの動きが鈍くなった。運動量が落ち、連動するようにペナルティも増加。FWとBKにもハンドリングエラーが多発し、日本のボール保持率が増えたのだ。

この状況で日本の韋駄天が輝きを放つ。

インパクトプレイヤーとして途中出場したWTB内田慎之甫(筑波大学)だ。

まずは後半16分。相手ノックフォワードからの自軍投入スクラム。9番役に入った内田が無人のショートサイドへ。相手との1対1を外で脅威的なスピードで振り切ってみせた。(22-31)

ラグビージュニアワールドチャンピオンシップ2026(7月7日(現地))

【ハイライト】U20スコットランド vs. U20日本

さらに後半24分。コンテストキックをFB古賀龍人(明治大学)がクリーンキャッチ。古賀はこの日安定したハイボール処理でチームの前進に貢献した。

「3試合を通して自分たちがやろうとしていることができれば、世界にも十分通用すると感じました。個人的には1、2戦目よりも、良いパフォーマンスを出せたと思っています」(FB古賀龍人/明治大学)

このFB古賀の再獲得から左大外へ展開すると、左エッジで2対1からブレイクしたのは再びWTB内田。

J SPORTS 放送情報

同じ筑波大学のWTB深田衣咲とのパス交換から、WTB深田が殊勲のトライ。ゴール成功でついに2点差(29-31)とした。

日本の攻勢は続いた。

途中出場したSO丹羽(同志社大学)が後半28分に70m級のキック「50:22」を成功。ビハインドは2点。敵陣ゴール前で逆転トライのチャンス――。

しかし、ここで痛恨のミス。

ラインアウトが合わずにオーバーボール。ここでボールが相手に渡ると、ネガティブな事象(ノックフォワード、スクラムのペナルティ)が続いて、あっという間に自陣22m内へ。

後半32分にU20イングランド代表も経験している途中出場のSHアサ・スチュアート・ハリスが抜けだし、相手が勝ち越しトライを決めた。

「最初の2本、そしてラスト1本のマイボールラインアウトで、しっかり獲得できなかったのは、今日のラインアウトリーダーとして申し訳ない気持ちでいっぱいです。しっかりと修正してきたいと思います」(LO梁瀬将斗/関西学院大学)

その後日本もすぐPGを返して4点差(32-36)としたが、逆転を狙った敵陣アタックの最中に相手10番、17歳のSOダルジ-ルがインターセプト成功。

起死回生のギャンブルDFの罠にかかってしまい、突き放された。ノーサイド直前の敵陣ゴール前ラインアウトでも競られ、確保失敗。

最終スコアは11点差(43-32)。スコットランドのプール2位通過が決まった。

セットピースで最後まで苦しんだ日本。スコットランドのスクラム、ラインアウトの成功率は100%。一方の日本はスクラム成功率が89%、ラインアウトは20回中7回失敗で65%だった。

大久保HCは率直に「ベスト8の壁を破るためには、さらなるセットピースの進化が求められます」と敗因を語った。

一方で良かった点として「我々がボールを持った時は、相手を押し込めることができたこと」とコメントした。

大会は終わりではない。各プール1位が進出する準決勝2試合は「フランス×ニュージーランド」「南アフリカ×イングランド」に決まったが、プール最下位(4位)となった日本にも順位戦(2試合)が残っている。

次戦の相手は、プールC最下位だったU20アメリカ代表だ。

「このメンバーで試合ができるのも、あと2試合です。しっかり勝ち切って、誇りをもって日本に帰りたいと思います」(LO梁瀬/関西学院大)

文: 多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある

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