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ラグビー コラム 2026年8月7日

『ラグビー界最大のライバル同士』の看板に偽りなし。ツアー初戦はストーマーズがオールブラックスに挑む。歴史を刻めるか

ラグビーレポート by 田村一博
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テストマッチは両国のファンの目が向けられるもので、ワールドカップは、世界中のラグビー愛好家に注目される。
そんな常識は覆され、8月7日から始まる『ラグビーズ・グレーテスト・ライバルリー・ツアー』は、世界のファンの目を集めるだろう。

ニュージーランド代表、オールブラックスが南アフリカに行って、8月7日のストーマーズ戦(日本時間、8月7日、26時キックオフ)から9月5日まで、同国内で各地を転戦しながら3つのテストマッチを含む8試合を戦う。
さらに9月12日にはアメリカのボルチモアで4つめのテストマッチをおこないツアーは締めくくられる。ワールドランキング1位の国に、2位国が乗り込むのだから熱狂の度合いはケタ外れとなるだろう。

今回のツアーが大きな話題となっているのは、オールブラックスがテストマッチ以外にも、ストーマーズ、シャークス、ブルズ、ライオンズという、ユナイテッド・ラグビーチャンピオンシップ(欧州の強豪クラブと戦うリーグ)に参加している4チームとも戦うからだ。

以前は各国代表が他国へ遠征した際、テストマッチ以外にも地区代表チームなどと、ミッドウィークゲームをおこなうことは多々あった。今回も、ブルズ戦こそ8月15日(土)と週末におこなわれるが、それ以外は平日実施。それぞれの地域のファンが熱狂する。

今回のように、オールブラックスが南アフリカ各地でミッドウィークゲームを戦うツアーをおこなうのは1996年以来のことだ。
当時はテストマッチ3戦(ツアー途中にトライネーションズのもう1テストも加えられた)以外に、州代表との3試合も戦った。

今回のツアー初戦で来訪者と対峙するストーマーズ。オールブラックスと対戦するのは史上初めてのことだ。前身のウェスタン・プロヴィンス時代は5回の対戦があり(1928年〜1976年)、そのうち2回は勝っているのだから、南アフリカラグビーの伝統と底力が伝わる。

発表された8月7日の出場予定メンバーを見ると、URC準決勝(6月7日)を戦ったメンバーから、PRザッカリー・ポーサンやFBダミアン・ウィレムセらが南アフリカ代表選出でいない。
しかし、PRントゥスコ・ムクーヌ、HOアンドレ=ヒューゴ・フェンターら現役代表組がフロントローを引き締め、NO8エヴァン・ルースも出場する(3人とも7月のネーションズチャンピオンシップに南アフリカ代表で出場)。

ハーフ団でコンビを組むのは、URCでも終盤に9番を背負い続けたイマド・カーンと、先のジュニア・ワールドチャンピオンシップで優勝したU20南アフリカ代表の司令塔、ヤキーン・アーメド。アーメドはストーマーズでのデビュー戦となるから期待は大きい。

キャプテンはCTBルハーン・ネルが務める。2025-26シーズンのURCに13戦出場し、すべて先発と信頼される人だ。
FBワーウィック・ゲラントは南アフリカ代表キャップ10を持ち、セブンズ代表の経験も。WTBシアベロ・セナトラもセブンズ代表として長く活躍した実績があり、バックスリーは豊かなスピードが武器となる。

歴史にオールブラックス戦勝利という事実を刻もうと、チームの誰もが強い野心を胸に秘めているようだ。
南アフリカ代表13キャップを持ち、ストーマーズで130を超える試合に出場してきた39歳のディオン・フーリーは、自身が出場した唯一のオールブラックスとの試合、2023年ワールドカップ決勝の経験を仲間たちに話し、黒衣の男たちと戦うことがどれだけ名誉なことかを伝えていると地元メディアが報じている。

前身のウェスタン・プロヴィンスが1976年にオールブラックスを破ってから50年。ストーマーズとケープタウンの人たちは、歴史的な瞬間を心待ちにしている。

そんな場所、完全アウェーの空気の中でオールブラックスは、経験豊富なLOパトリック・トゥイプロトゥをゲームキャプテンに指名して難しい初戦に臨む(2度目のキャプテン)。
先発全員がキャップ保持者となった。ベンチには、出場すれば初めてオールブラックスの試合出場(テストマッチではない)となるPRシアレ・ラウアキ、SOジョシュ・ジェイコムが含まれている。

注目されるのは10番を背負うボーデン・バレットだ(144キャップ)。今季のネーションズチャンピオンシップ3試合では出場機会がなかった。テストマッチへの出場機会はあっても、キャリアの浅い選手たちは少なくない。異様な雰囲気の中で、トゥイプロトゥ主将や44キャップのHOサミソニ・タウケイアホ、88キャップのWTBリーコ・イオアネ、90キャップのCTBアントン・レイナート=ブラウンらとともに、チームを勝利に向かわせるドライバー役を務める。

初戦から魂のぶつかり合いが見られそうなツアー。長くて魅力的な1か月となりそうだ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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