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4強進出は初優勝に燃える「東京サンゴリアス」か。初プレーオフの「ブラックラムズ東京」か。ジャパンラグビーリーグワン2025-26プレーオフ準々決勝①
ラグビーレポート by 多羅 正崇
ついにプレーオフが始まる。
ジャパンラグビーリーグワン2025-26シーズンのプレーオフトーナメント。過酷な18試合のリーグ戦を勝ち抜いた上位6チームによる「日本一決定戦」だ。
火蓋を切る一戦は5月23日(土)の準々決勝、東京・秩父宮ラグビー場が舞台となる。リーグ戦4位の東京サンゴリアスと同5位のブラックラムズ東京による「東京ダービー」だ。
両軍は2週間前のリーグ戦最終節で対戦しており、サンゴリアスが39-22で勝利した。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 プレーオフトーナメント 準々決勝-1 東京サンゴリアス vs. ブラックラムズ東京
配信日時 : 2026年5月23日(土)午後2:20 ~
就任2季目でブラックラムズをチーム初のプレーオフ進出に導いたタンバイ・マットソンHCは、記者会見でリベンジへの意欲を覗かせていた。
「13日後に(プレーオフトーナメント準々決勝で)プレーするチャンスがあります。今日はさまざまなエリアで相手が一枚上手でしたが、スポーツにおける13日は長いので、また対戦できることを楽しみにしています」
2季前は10位で入替戦に回ったチームが、なぜ7位、5位とステップアップできたのか。
躍進の大きな理由の一つはセットプレーの安定だろう。Optaによると今季の自軍投入スクラム勝率はディビジョン1(D1)トップの97%だ。
PR西和磨、HO大西将史(共に帝京大学)、PR笹川大五(明治大学)といった生え抜きの好選手が着実に成長。そこにリーグ屈指の猛者、PRパディー・ライアンという豪代表歴のある選手兼コーチも加わって堅固なスクラムを体現してきた。
1970年代に全国社会人大会・日本選手権を連覇した経験もある1953年創部のブラックラムズ東京だが、トップリーグ時代は中位以下に留まっていた。
トップリーグ時代からのスタイルの印象は「泥臭いディフェンスチーム」。豪代表のスティーブン・ラーカム(2008年から3季)などスター選手も在籍したが、代表歴はなくとも泥臭くハードワークする“いぶし銀”の選手が揃っていた。
そんな元来のディフェンス文化に近年はセットプレー、アタックを正統進化させてきた。そして極めつけはマットソンHCが「ラストピース」と呼んだ加入2季目のTJペレナラ主将。
トップ6、トップ4が壁として立ちはだかってきたブラックラムズにとって、世界最高峰の常勝軍団オールブラックス(NZ代表)で89キャップを重ねたペレナラが提示する「スタンダード」は何よりの指針だろう。
だが、他のピースがなければラストピースも存在しない。
2人いる副将の一人、生え抜きのFL松橋周平。明治大学時代はトップスターというより玄人好みの実力者だったが、ブラックラムズで2016年度の新人賞受賞、日本代表にも選出されるなどスター選手に名を連ねた(今週末はメンバー外)。
もう一人の副将のCTB池田悠希は、30歳で代表デビューした努力の人。NTTコムから成長を求めて移籍し、ブラックラムズ初のプレーオフ進出に貢献した。
もちろんプレイメイカーのSO中楠一期、ラインブレイカーのFBアイザック・ルーカス、ブレイクダウンの職人であるNO8リアム・ギルもいる。そしてサポーター、そしてメンバー外の選手・関係者・スタッフ、これまでチームに在籍した人びとも大切なピースに違いない。
多くの人の思いを背負い、チームとしてリーグ前人未踏の一歩を踏み出すメンバーが発表されている。
先発では、SHペレナラ主将をはじめCTB池田副将、NO8ギル、SO中楠、FBルーカスらが揃った。フロントローは先に挙げたPR西、HO大西、PR笹川の生え抜きトリオ。
リザーブの背番号18にはパディー・ライアンも入った。2週間前の前回対戦からの先発変更はHO大西、LOジョシュ・グッドヒュー、FLフィリックス・カラプ、CTB池田副将となった。
Optaによると、ブラックラムズはリーグ戦のサンゴリアス戦で現在4連敗中。直近20試合では19敗(1勝)と分が悪い。言い換えるならばチャレンジャーの立場。失うものはないはずだ。
迎え撃つホストはサンゴリアスだ。
指揮2年目のチームOB、2015年W杯「ブライトンの奇跡」で10番を担っていた小野晃征HCは2週間前の前回対戦で、勝利の中にもあった「隙」に言及していた。
「相手に隙を見せてしまった時間帯がありました。次に戦うプレーオフトーナメント準々決勝では、絶対にそこのスイッチを切らず勝利できるようにしっかり準備したいと思います」
これが現役最後のプレーオフとなるSH流。どんなプレーをファンに見せたいかを問われると、帝京大学時代からカリスマで鳴らしたゲームメイカーは「チームを勝たせる部分」と力強かった。
「チームを勝たせることが僕の役割だと思っています。あとは僕自身のプレーどうこうより、1週間の準備の中で周りのメンバーの準備を手助けして、実際に試合が始まれば、小さいコミュニケーションや目に見えないところで働くことが僕のプレースタイルです」
「選手のパフォーマンスを5%ずつでも上げられるような声掛けやコミュニケーション、そして、自分自身のプレーを遂行すること」
「結局は、チームを勝たせる部分を見てほしいです。その中でも、強いていえば負けず嫌いなところを見せたいです。どんな状況でも勝ちに行く姿勢は、これまで11シーズン続けてきたことです。その姿は最後まで見てほしいなと思います」
ここで負ければ自動的に現役ラストゲームとなる。
それは今週末に背番号12を背負ってピッチに立つCTB中村も同じだ。第17節トヨタヴェルブリッツ戦で先発を飾ると巧みなパスを連発。連敗を「4」で止める勝利に貢献した。
2人が最高の置き土産としたいのはリーグワンではチーム初、トップリーグ以降では2017年度以来となる優勝だろう。
J SPORTS 放送情報
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ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 プレーオフトーナメント 準々決勝-1 東京サンゴリアス vs. ブラックラムズ東京
放送日時:2026年5月23日(土)午後 2:20 ~ J SPORTS 4
2週間前のブラックラムズ戦後、突然の現役引退を発表したPR垣永は、スピーチの中でこんな事を言っていた。
「もう何の後悔もありませんが、一つだけかなうとしたら、もう一度だけ優勝したいです」
その垣永の名前は今週末の予告メンバー表にない。2023年W杯でも「柱」(メンバー外)選手として支え続けたチームマンのために、今週末にメンバー入りできなかった多くの選手のために――。
今週末のピッチに立つ選手たちの思いは計り知れない。
SH流はキックも好調のSOケイレブ・トラスクとのコンビ。CTB中村が背番号12でプレーメイクに加わり、フルバックは歴戦の猛者である松島幸太朗が務める。サム・ケイン主将はリザーブスタートだ。
負ければシーズン終了。
勝てば夢は続く。
運命のキックオフは土曜日の午後2時30分だ。
文: 多羅 正崇
多羅 正崇
1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある
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