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ラグビー コラム 2026年6月8日

【ハイライト動画あり】SO服部のキレ。タックル。早大、競り勝つ。明大も最後まで、粘り強く、力強く。

ラグビーレポート by 田村一博
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中継で表示される試合開始からのランニングタイムは87分10秒過ぎ。7775人が足を運んだ観客席からは、最後まで歓喜の声や悲鳴が聞こえてきた。

6月7日にミクニワールドスタジアム北九州(福岡)でおこなわれた関東大学春季交流大会の早稲田大学×明治大学は、ライバル同士が互いのカラーを出し合う好勝負となった。
最終スコアは28-24。早大が勝利を手にした。

明大が点差を4に詰めたのは、公式試合記録では後半41分。早大の反則からPKを深く蹴り込み、ラインアウトから攻める。トライライン前に3分近く居座り、最後はPKからの速攻を中川功己(NO8)がインゴールに押さえ、SO伊藤龍之介がコンバージョンキックを決めた。

そこからフルタイムまでの時間が濃密だった。
早大が蹴ったリスタートのキックオフを受けた明大が自陣から攻める。しかし早大にボールが渡る。攻守が目まぐるしく入れ替わり、明大のラインアウトから早大にボールが渡っても、こぼれ球を紫紺のジャージーが足にかけて敵陣に攻め入った。

最後は早大スクラムからボールを奪い、攻めた明大が逆転を懸けて攻めた。アタックを8フェーズ重ねるもミスが出る。赤黒のジャージー外にボールを蹴り出して試合終了のホイッスルが鳴った。
ライバル対決は、季節に関係なく熱戦になる。

早大の大田尾竜彦監督が「春にこの強度でゲームができたこと自体が収穫。選手たちは、本当に素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。いい集団になりつつある」と振り返った試合は、勝者が前半を14-5とリードする前半で始まった。

先制点は前半26分。明大が自陣から深いエリアで早大ボールをインターセプトしたところから、好走と好サポートでトライを取り切った(WTB白井瑛人)。
しかしその直前、早大はSO服部亮太が自陣から走り、攻め入ってチャンスを作った。攻守とも、赤黒ジャージーが自分たちのスタイルで戦っていた印象だった。

特に目立ったのはディフェンス面だ。前半20分過ぎに明大にアタックを重ねられても(11フェーズ)粘り強く守り続け、最後はミスを誘った。ボールキャリーが強い明大の選手をダブルタックルで止めていた。バックロー陣だけでなく、PR新井瑛大やLOに入った城央祐、CTB名取凛之輔らが効果的なタックルを見せた。

関東大学春季交流大会2026 Aグループ(6月7日)

【ハイライト】早稲田大学 vs. 明治大学

アタックではSO服部の積極性が目立った。前述のようなキックカウンターから走ることもあれば、前半38分のトライ時はフェーズを重ねる中でチャンスを見逃さなかった。ミスマッチの状況を見逃さず、フロントローが立っていた間のスペースを抜いて走り切った。
前半40分のSH大賀雅仁のトライは、CTB島田隼成のラインブレイクから。早大は中盤で積極的に攻めたことが奏功した。

後半に入って11分、スクラムからのサインプレーでSO服部が走り、WTB田中健想にラストパスを送って早大が加点(服部の難しい位置からのGも成功)。スコアが21-5と開いた時には、リードした側がさらに加速するかと思われた。
しかし以後、早大が追加したトライは1つだけだった(後半33分、FL野島信太郎)。

J SPORTS 放送情報

リードを広げられた明大が差を詰め始めたのは後半19分過ぎのスクラムからだった。敵陣左でのスクラムで圧力をかけておいて、サインプレーでボールを大きく動かす。そこからフェーズを重ね、6フェーズ目でSH岡元聡志がラックサイドのスペースを見逃さず、持ち出し、走り切った。

明大らしいアタックは、後半27分過ぎにも見られた。早大がブレイクダウンでボールコントロールを失ったところでターンオーバー。SH岡元が判断よく、敵陣深くへキックを蹴り込む。それをCTB手崎颯志が追って潰し、反則を誘った。
そこでスクラムを選択した明大は圧力をかけてPKを得ると速攻を仕掛けた。持ち出したNO8藤井達哉が仲間と共に押し込んだ(早大21点、明大17点)。

明大は後半34分に点差を11点差に広げられるも、冒頭のようにトライを返し、結局は敗れるも、ラストシーンまでライバルを押し込み続けた。しかしFL大川虎拓郎主将は、「僕たちがやりたかったプレーを早稲田さんに全部やられてしまったという印象です」と話した。

トライを取るべきところで取り切る。もっと我慢強く守る。キャプテンはそういったいくつかの反省点を挙げ、「セットプレーも先週と比べたら安定してきたと思いますが、自分たちが求めている基準ではない。もっともっと高みを目指してやっていきたい」と前を向いた。

自分たちの力をすべて引き出してくれる相手との試合を経て、両チームともさらに、我がスタイルを確立していく道を歩む。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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