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ラグビー コラム 2026年6月5日

早稲田大学、北九州での『早明戦』に挑む。今季を占う注目の一戦。ラグビー関東大学春季交流大会

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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トライを挙げるSO服部

「北九州は自分の地元だし、誰よりも思いが強い。こんなチャンスは2度とない」。そう語るSO(スタンドオフ)服部亮太(スポ3=佐賀工)の言葉には並々ならぬ覚悟がにじむ。

舞台は整った。昨季の全国大学選手権大会の決勝で涙をのんだ雪辱のカード。そして彼がかつて『帆柱ヤングラガーズ』で楕円球を追いかけ始めた原点。そのすべてが交錯するのが、彼の地元でもある『ミクニワールドスタジアム北九州』だ。

あの頃より一回りも二回りもたくましくなった少年は今、伝統の『赤黒』の10番を背負い、故郷の芝に凱旋する。早稲田大学のアタッキングラグビーを司る彼の最大の武器は、類い稀なるアタックセンスだ。

戦況を一瞬で見極める広い視野と、右足から放たれる大砲の如き正確無比なロングキック、そして敵陣の隙間を容赦なく切り裂く鋭いパスが繰り出される。歓声に包まれるミクニのピッチで、北九州の少年少女の憧れでもある服部が仕掛ける完璧なゲームメイクから、1秒たりとも目が離せない。

ラグビー 関東大学春季交流大会2026

前節の関東大学春季交流大会、早大は上井草グラウンドで東洋大学との一戦を迎えた。その完成度はまさに圧巻そのもの。攻撃の口火を切ったのは、NO8(ナンバーエイト)松沼寛治(スポ4=東海大大阪仰星)の力強いヒットだ。彼が最前線で激しく身体を張り、攻撃のモメンタムを生み出す。

力強いランをみせるNO8松沼

そこから一気にテンポアップする早大アタックの刃となったのが、チームの『PUP』(Pick Up Player/大田尾竜彦監督の印象に残った選手)に指名されたWTB(ウィング)鈴木寛大(スポ4=岡山・倉敷)だ。キレ味鋭いステップとスピードで東洋大ディフェンスを文字通り翻弄し、得点を量産。

終わってみれば67-14の大勝。寄せ付けない圧倒的な攻撃力で東洋大を突き放した早大が、春季交流大会で無傷の3連勝を飾り、その進化のスピードをさらに加速させている。

明治大学は先週末に東海大学と対戦し、45-27で勝利を収めた。すでに東海大との一戦を59-42で制している早大とスコアのみを比較すると、メンバー変更などの要素もあり一概には言えないものの、両校の実力差には大きな差はないと見ていいだろう。

実際、両チームとも東海大戦では後半残り10分まで競り合う展開を強いられたが、最終盤の10分間で相手を突き放して白星を掴んだ。この勝負所での強さこそ、両校の確かな地力の証明といえる。明大伝統の重戦車は今年も健在であり、セットプレーやモールで優位に立って着実に得点を重ねている。

それでは今試合において早大の勝利に貢献する選手たちを紹介する。まず、『赤黒』の10番を担う服部は言うまでもない。早大メンバーの中で、地元福岡出身で今季のチームの核を担っている2選手を紹介する。

相手を引きずりながら突進するLO米倉

LO(ロック)米倉翔(スポ4=福岡・修猷館)と、CTB(センター)島田隼成(スポ3=福岡・修猷館)だ。米倉はラストイヤーとなる今季、「全試合に出場したい」という宣言通り、これまでの春季大会3連戦で先発出場を果たしている。

彼の強みは高いワークレートに加え、セットプレーに安定感をもたらしてくれる。そしてなにより、今シーズンからは持ち前のアタックにも磨きをかけてきた。その推進力で今試合もペネトレーターとなるだろう。

バックドアのパスをするCTB島田

また、今季の早大アタックの好調を語る上で島田の存在は欠かせない。これまでSOやFBを務めていた島田は今シーズンはCTBとして登場。持ち味はスキルの高さと多彩なプレーの引き出しを備えるクレバーさだ。

CTBとしてこれまで以上にボールタッチ回数を増やしながら、かつ相手ディフェンスから1歩離れたところで、早大のアタックを巧みに操っている。服部と島田、この2人のゲームメイカーの一挙手一投足から目が離せない。

また、この試合をターゲットゲームとしていた福岡高出身のNO8(ナンバーエイト)狭間大介(スポ4=福岡)や、小倉高出身のFB(フルバック)髙野恵次郎(スポ1=福岡・小倉)もメンバーに入っている。リザーブに入ったSO竹山史人(スポ1=神奈川・桐蔭学園)にも注目だ。

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一方で明大はNO8藤井達哉に警戒が必要だ。下級生時代から定評のあった圧倒的な推進力には、今季さらに磨きがかかり、名門の「不動の8番」としてその地位を完全に確立した。また、今シーズンの明大は藤井がファーストレシーバーになることが多く、攻撃の起点となっている。早大の攻守の要である松沼との大学世代最強の8番対決は必見だ。

BK(バックス)では、CTB大沼隼人とWTB阿部煌生にも注目したい。大沼は今シーズンからスターティングメンバーに定着。明大の攻撃とディフェンスの両方で存在感を発揮している。WTBも経験していることで、彼のライン際での突破には警戒が必要だ。さらにワセダクラブから国學院久我山高で、苦楽をともにしたHO(フッカー)清水健伸主将(スポ4=東京・国学院久我山)とのマッチアップも注目である。

そして、阿部は高校時代、SOとCTB、そしてFBを経験しているユーティリティープレーヤー。彼が明大アタックラインのエッジにいることで安定感をもたらしている。阿部と早大のLO(ロック)城央祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)は、南茨城ラグビースクール時代に南茨城最強世代としてともにプレーした経歴を持つ。かつてのチームメイトによる直接のマッチアップは、今節の注目点の1つだ。

大学ラグビーにおける伝統の早明戦。早大にとっては昨季の大学選手権の借りを返す一戦であり、同時に今シーズンの行方を占う試金石となる。北九州の地で、両校の新たな戦いが幕を開ける。

文:大林祐太/写真:伊藤文音、飯塚咲(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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