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アースケア敷島サッカー・ラグビー場
國學院栃木(栃木県)にとって初の連覇だ。6月5日から7日に群馬の『アースケア敷島サッカー・ラグビー場』で行われた関東高校ラグビー大会のAブロック決勝で、昨年に続き桐蔭学園(神奈川県)を破った。
就任39年目の吉岡肇監督は相手をリスペクトしつつ、「ずっと王者君臨では面白くないんでねえ」と表情を崩す。「花園で3連覇しているし、目標としては文句なし。組み合わせが決まる前から、『それじゃ、桐蔭に勝てねえぞ!』と言い合っています」。
25分ハーフで実施されたこの試合の最終スコアは14-7。自陣からでも果敢に展開する桐蔭学園の猛攻を、すっかりチームのカルチャーとして定着した自慢の堅守で耐え続けた。
立ち上がりからダブルタックルの連続で前進を阻む國學院栃木。ハイパントを織り交ぜたキックと、今大会で本格復帰を果たした右PR(プロップ)の吉田悠真を軸とするスクラムで優位に立ってエリアを進め、好機も作った。
しかし15分、敵陣22mライン付近でのパスミスからボールを奪われると、一気に切り返される。桐蔭学園のWTB(ウィング)長田桐の突破を許し、まもなく反対サイドでWTB大久保志哉がトライゾーンに入った。
その後も、國學院栃木は、相手SO(スタンドオフ)瀬戸功大のスピードに翻弄されたが、失点をこの「7」で耐え抜く。後半早々に迎えたゴール前での肉弾戦を死守した直後には、FB(フルバック)白谷怜大が50:22キックでチームを前に進めた。6分にはラインアウトから思い切りよく走り込んだFL(フランカー)椎名優真にボールが渡り、7-7とスコアをイーブンに戻した。
その6分後の逆転トライは、ディフェンスから生まれた。NO8(ナンバーエイト)笠間駿平のスティールで敵陣深くに侵入、最後はFW(フォワード)の局地戦に加わったキャプテン、齋藤元がポール下にねじ込んだ。
以降は桐蔭学園の猛攻に遭ったが、そのすべてを跳ね返した。最後は再三のタックルで身体を張ったLO(ロック)林出樹がスティールに成功。國學院栃木が、14-7のまま振り切った。
吉岡監督は選手を称えた。「あれだけ全員がロータックルを繰り返して、本当はヘロヘロなんだろうけど、何度も戻ってどんどん前に出ている仲間の姿を見て、勇気づけ合いながら戦っていたように見えましたね」。
一方、敗れた桐蔭学園の藤原秀之監督は、「まだまだいろいろ試している段階」と冷静だった。昨季の主力でCTB(センター)の古賀啓志をLOにコンバートしたり、5月の『サニックスワールドユース』で新たに頭角を表したNO8香川アコナ勇ハヴィリや、ルーキーのWTB荒川留偉など、下級生を複数名抜擢したりと、メンバー編成はいまだ流動的だ。
FL堺史道キャプテンはその現状を受け入れる。「今年のチームスローガンは『切磋』です。お互いを高め合うことを目指しているので、それはこの後も体現していきたいです」。
桐蔭学園は今大会、戦い方も「試していた」という。自陣22mライン内からの脱出やペナルティキック以外はキックを封印。ボールを持ってアタックし続けた。堺主将はその意図を、「継続は自分たちの強みとしたいところ。ここまでかなり走ってきて、体力面には自信がある。今大会はそれを前面に出して勝負すると決めた」と説明した。
これまで幾度となく戦ってきた敵将も、桐蔭学園の春の戦いは想定済みだった。「裏に転がしたり、ハイパントを上げたり、『國栃』の崩し方をたくさん持っていたと思うが、こちらの生命線であるディフェンスを崩してこそ王者、というのもあったのでしょう」。
勝敗を超え、お互いのプライドを真っ向からぶつけ合った50分間だった。
同日にはAブロックの3位決定戦のほか、BブロックからGブロックまでの決勝と3位決定戦も行われた。各県の1位同士で争われたA、Bブロックの4試合はいずれも白熱。
Aブロック3位決定戦は14-12で、目黒学院(東京都)が流経大柏(千葉)に競り勝ち、Bブロック決勝では茗溪学園(茨城県)が14-0と、伸び盛りの山梨学院(山梨県)を下す。そして、Bブロックの3位決定戦では、明和県央(群馬県)が15-14で川越東(埼玉県)との接戦をものにした。
文:明石尚之
明石尚之
1997年生まれ、神奈川県出身。筑波大学新聞で筑波大学ラグビー部の取材を担当。2020年4月にベースボール・マガジン社に入社し、ラグビーマガジン編集部に配属。リーグワン、関西大学リーグ、高校、世代別代表(高校、U20)、女子日本代表を中心に精力的に取材している。
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