人気ランキング
コラム一覧
関東強豪が一堂に会する第74回関東高校ラグビー大会が6月5日から3日間、群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場などで行われ、Aブロック決勝は國學院栃木(栃木)が桐蔭学園(神奈川)を14-7で下して大会2連覇を成し遂げた。
本稿では男子1日目、メイン会場(アースケア敷島サッカー・ラグビー場)で5試合をレビューする。
J SPORTS オンデマンド番組情報
【メイン会場(アースケア敷島サッカー・ラグビー場)1日目5試合】
第1試合(Eブロック):東海大浦安(千葉2位)×慶應義塾(神奈川4位)
慶應義塾が、進境著しい創部8年目の東海大浦安を31-0で下した。
慶應義塾は前半10分、2年生FB黒見龍春の特大キックで敵陣に入ると、相手の連続ペナルティで到来した好機を生かして攻勢。アドバンテージが出ると高校代表候補のCTB岡本悠利の懐の深いランから、WTB千葉鉄太郎がフィニッシュ。チャンスを確実に得点に変えた。(7-0)
東海大浦安もロングゲインを許したピンチに対し、浦安D-Rocksジュニアで主将も務めたNO8八木橋光嗣が戻ってスティール成功。県予選決勝で流経大柏を苦しめたディフェンス力を見せる。
だがエリアの取り合いでは、慶應義塾の効果的なキック、ブレイクダウンワークに苦しみ、敵陣での攻撃機会がなかなか巡ってこない。
さらに1トライを失うと、前半25分にはゴール前のワイド展開から3本目を決められ、慶應義塾が19-0とリードして前半を終えた。
東海大浦安は後半開始直後、コンテストキックの相手ミスから得点チャンス。流れを変える契機だったが、慶應義塾はPR杉浦裕吾らが慶應らしいロータックルで応戦。
東海大浦安はモメンタムを得られず、追い込まれた状況でのグラバーキックを確保されてチャンス喪失。反撃の狼煙とはならなかった。
逆に慶應義塾はアタックキーマンのCTB岡本が力強いキャリーで4本目(26-0)。終盤に5トライ目も追加し、31-0で初戦勝利。そして翌日の2回戦では東京高に14-12で競り勝ち、Eブロック優勝を勝ち取った。
第2試合「Dブロック」:日川(山梨2位)×國學院久我山(東京3位)
國學院久我山がDブロックで頭一つ抜けた力を示した。
東京3位の“久我山”は試合開始からデザインされたアタックムーブで連続トライ。前半4分にはFB小林朋貴が相手を弾く強烈ランで突破。フォローのCTB切通友の2本目を演出した。(12-0)
日川はこのまま突き放されるのか。
そんなムードを一掃したのが前半8分のトライだ。キック合戦での相手ノックフォワードで舞い込んだ敵陣右スクラム。一次攻撃で走り込んだのは日川のFB小林凌河主将。鮮やかなラインブレイクから一発で取りきり、起死回生の7点を奪った。(12-7)
すると日川のディフェンスがエナジーアップ。
相手バックドアを読んだCTB榎本速人が好タックル。粘り強いディフェンスでターンオーバーを誘う。
しかしイグジット(自陣脱出)のキックが甘くなり、國學院久我山が中盤のクイックスローインから展開攻撃。相手のチェイス不足から一本を取り、リードを10点(17-7)に広げた。さらに前半はフィジカリティでも優勢となった國學院久我山が2トライを加え、29-7で折り返した。
後半はお互いにメンバーを替えながらの戦いとなり、ハンドリングエラーやミスが目立つ展開に。
ただ主導権は久我山。フィジカリティとバックスの決定力で優位となって3連続トライ。リードを41点(48-7)に広げた。
しかし日川も反撃の機会を待っていた。
後半22分の敵陣右ラインアウト。2次攻撃目でFB小林主将が走り込み、WTB藤原律が左隅で突破。さらにPR井上寛太らのパワープレーなどで守備を寄せると、最後はエースのFB小林主将がチーム2本目を奪った。
失点で終われない久我山はラストに1本を加え、得点は「53」に。そしてノーサイド。久我山は翌2日目も関東六浦(神奈川)に73-7で大勝し、Dブロック優勝を掴んだ。
第3試合「Cブロック」:東海大相模(神奈川2位)×早稲田実業(東京2位)
注目の第3試合は、早稲田実業が最初のアタック機会を掴む。
早実は序盤、FB飯泉敢太がキックチェイスからドミネートタックル。その後キックカウンターから敵陣攻撃の機会を得ると、十八番の“高速展開”でゴール前に迫る。ペナルティを得るとクレバーにクロスキックを選択し、最後はWTB竹内柚葵が先制トライを奪った。
試合は終始ハイレベルな攻防となった。
東海大相模はWTB佐野拓斗がパワフルなレッグドライブで前進。早実はロックコンビなどがキャリアーの突進を止める好守を連発。だが最後は東海大相模が近場戦からFL田村駿介がねじ込み、ゴール成功で7-5と逆転した。
前半はその後1トライずつを奪い合い、スコアは12-12。一進一退の勝負が続いていたが、前半21分には早実がモールで3本目(19-12)。前半終了前にスクラムでコラプシングの反則をすると、ペナルティで3点追加。早実の10点リード(22-12)で後半へ向かった。
逆転したい東海大相模だが、早実の素早いDFセット、的確なファーストタックルに苦戦が続く。
一方の早実はモールでHO村山康剛主将がグラウンディング(後半9分)。17点ビハインドとなった終盤に東海大相模はポゼッションを高めて連続攻撃を仕掛けたが、早実SH梅澤遊輝が殊勲のスティール。モール攻勢と相手ペナルティで勝利が濃厚となった。
神奈川2位の東海大相模はCTB青野龍樹がトライを奪ったが、最後はふたたびスティール成功でターンオーバー。
東海大相模に10点差(29-19)で競り勝った早実は、翌日に熊谷(埼玉)に73-10で大勝。2連勝でCブロックの優勝を勝ち取った。
第4試合「Bブロック」:川越東(埼玉1位)×山梨学院(山梨1位)
第4試合の序盤は、埼玉1位の川越東が攻め立てる展開。
まずは敵陣奥でしぶとくモール勝負&FW近場戦。しかしハンドリングエラーなどで得点できず。
一方の山梨学院は前半6分、思うようにいかない自陣脱出を展開攻撃に切り替えると、ミドルエリアで突破。
さらにLOラヴゥアメ・コロコヴクナハウらをキャリアーにした攻撃で敵陣に入ると、グラバーキックの確保から再アタック。最後は技巧派のSH森雅哉が持ち出して先制トライ。5点を奪った。
山梨学院は留学生のみならず全員に衝突局面で前に出ようとする姿勢があり、攻守にわたり川越東を押し込んでいく。
ハンドリングエラーも重なり能率的にスコアが伸びない時間帯もあったものの、前半終了前には手詰まり感の漂う相手に対し、攻守交代からFB原澤汰門が約50mの独走トライ。19-0で試合を折り返した。
後半もタレントと武器が多い山梨学院が優勢。
接点での優位が明確になると、後半6分から4連続トライ。川越東はタックル精度が落ちて苦戦。後半24分にもキックオフからの防御突破で途中出場の鈴木海人がトライ。52-0で勝ち切った。
翌2日目、山梨学院は茗溪学園(茨城)に0-14で敗戦。Bブロック優勝は逃したが、関東大会で貴重な経験を積んだ。
第5試合「Aブロック」:國學院栃木(栃木1位)×目黒学院(東京1位)
優勝を争うAブロックで、最初にスコアを刻んだのは國學院栃木だ。
東京1位の目黒学院は自陣右のラインアウトでコラプシングの反則。この機会を逃さなかった「コクトチ」は左コーナーからモールを組む。
目黒学院の圧力を受けても崩れないモールで、着実に前進。固いパックのままトライエリアでグラウンディング。見事なモールで先制トライを奪った。(5-0)
一方の目黒学院はブレイクダウンで苦戦。
前半8分には國學院栃木のHO岡田佑獅朗が美しい姿勢でスティール。攻守交代から右奥でふたたびモール。スローワーのPR青木悠隼が最後尾でボールを持ち続け、約25メートルを前進。モールによる2連続トライで序盤戦を制した。(12-0)
状況を打開したい目黒学院だが、國學院栃木の文化である堅守は崩れない。
スクラムも堅調。前半16分には敵陣でスクラム・ターンオーバーを起こし、3点(PG)追加でリードを15点に広げる。
ここで目黒学院が反撃。
目黒のキャリアーはLOフォノヘマ・シオネ、NO8フィナウ・シオネだけではない。この日も規格外のフットワークを見せたのはHO村田葵だ。ゴール前で巧みな体裁きでトライエリアをこじ開け、前半24分、チームに初トライをもたらした。(15-7)
國學院栃木の8点リードで折り返した好ゲーム。
後半8分にNO8笠間駿平が3本目を切り取り優勢となったが、チャンスは突然やってくる。
後半19分に國學院栃木が自陣ゴール前でノックフォワード。まさかのミスで攻撃権を得ると、スクラムから2フェーズ目でNO8フィナウ・シオネがフットワークを効かせたキャリーでポール脇へ飛び込んだ。
ビハインドは1トライ1ゴールで届かない8点(14-22)だったが、勢いは目黒学院。
ここで再びHO村田が局面打開。中盤からターンを含む華麗&パワフルなキャリーで前進。相手のペナルティまで誘った。
だが國學院栃木の組織ディフェンスは大崩れせず。最後の好プレーはこの日キックチャージもあったCTB齋藤元のチョップタックルだった。
攻守交代を起こして、そのままノーサイド。手に汗握る熱戦を制した國學院栃木が22-14で目黒学院を振り切った。
そして翌2日目の決勝で、國學院栃木は徹底的にボールを保持した桐蔭学園を鋭いファーストタックル、素早いセットでシャットダウン。14-7で花園3連覇中の王者を倒した。桐蔭学園の藤原秀之監督「今日は自滅でした」と厳しい表情だった。
一方の國學院栃木は、ディフェンスに加えてスクラムでも優勢に。モール・ディフェンスも光り、大会2連覇を達成。だが決勝でトライも奪った國學院栃木のCTB齋藤主将は、勝って兜の緒を締めていた。
「去年はバックスにタレントが揃っているチームでしたが、今年はフォワードが毎日練習から頑張ってくれていて強みになっています」
2026年の関東王者は國學院栃木となった。
だが主将の視線の先には当然花園がある。
「自分たちの目標は日本一です。桐蔭学園さんは必ずもっと成長してくるので、自分たちもさらに成長して、花園で桐蔭学園さんに勝ちたいです」(國學院栃木・CTB齋藤主将)
文: 多羅 正崇
多羅 正崇
1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 プレーオフトーナメント 3位決定戦 東京サンゴリアス vs. 埼玉ワイルドナイツ
6月6日 午後1:20〜
-
ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 プレーオフトーナメント 準決勝-2 埼玉ワイルドナイツ vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
5月31日 午後1:50〜
-
6月1日 午後10:00〜
-
早稲田大学 vs. 明治大学 Aグループ ラグビー 関東大学春季交流大会2026【先行】
6月7日 午後12:50〜
-
メイングラウンド 1日目 関東高等学校ラグビーフットボール大会2026 【限定】
6月6日 午前9:55〜
-
ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 プレーオフトーナメント 準決勝-1 コベルコ神戸スティーラーズ vs. 東京サンゴリアス
5月30日 午前11:50〜
-
明治大学 vs. 東海大学 Aグループ ラグビー 関東大学春季交流大会2026【先行】
5月31日 午後12:50〜
-
補助陸上競技場 1日目 関東高等学校ラグビーフットボール大会2026 【限定】
6月6日 午前9:55〜
J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!



