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プレーオフ進出が叶う6位以上のラインを巡る、複雑な勝ち点計算は必要なくなった。争いは最終節(第18節)まで続くかと思われたが、決着は17節でついた。
J SPORTS オンデマンド番組情報
5月2日、秩父宮ラグビー場に1万2110人のファンを集めておこなわれた東芝ブレイブルーパス×静岡ブルーレヴズは予想に違わぬ好ゲームとなり、ファイナルスコアは35-29。ブレイブルーパスが競り勝った。
前節を終えた時点で7位だったトヨタヴェルブリッツが、同じ時間におこなわれていた東京サントリーサンゴリアス戦に38-54と敗れたため、ブレイブルーパスの6位以上、プレーオフ進出が決まった。
ハーフタイム時のスコアは22-22。互いの気持ちが80分ぶつかり合った。先制点を奪ったのは、他試合の結果に関係なく、負けたらプレーオフ進出の道が断たれるレヴズだった。
LOジャスティン・サングスターがインゴールでグラウンディングしたのは開始18秒。自分たちが蹴り込んだキックオフボールを受けたブレイブルーパスは一度ラックを作った後、ボールをFB松永拓朗に渡す。背番号15がキックモーションに入るとサングスターは圧力をかけてチャージダウン。インゴールに転がった楕円球を自ら芝に押さえた。
この試合に懸ける思いの強さ、集中力の高さが伝わった十数秒。しかし、それは激戦のプロローグにすぎなかった。
ブレイブルーパスは先制されたことに慌てず、自分たちの描いてきたプランをすぐに遂行し始めた。
WTB石岡玲英が反撃のトライを挙げたのは前半4分。FWが接点で積極的に前に出ようとしたから外にスペースができた。この日のブレイブルーパスは、80分間タフに戦い続けることを徹底するつもりで試合に臨んだ。
前半8分のPGも、CTB眞野泰地が接点で前進、サポートプレーヤーも一緒になって押し込んだことが相手の反則を誘った。
前節に怪我から復帰して今季初出場、この試合では11番に入ったジョネ・ナイカブラは狭いエリアを走る強みを出し、チーム全体を前に出す働きを存分に見せた。
3トライしたマロ・ツイタマ、山口楓斗と、レヴズの両WTBもキレのいい走りで得点を重ねたが、その勢いに飲まれなかったのはナイカブラの決定力があったからだ。
ジャパンラグビー リーグワン2025-26(5月2日)
【D1 第17節 ハイライト】東芝ブレイブルーパス東京 vs. 静岡ブルーレヴズ|ジャパンラグビー リーグワン2025-26(5月2日)#leagueone
同点のまま後半に入り、ブレイブルーパスが5分にPGで勝ち越してから、スコアはなかなか動かなかった。互いにプレッシャーをかけ合って反則を取られたこともあるが、ブレイブルーパスは、今季重ねてきた自分たちから崩れるパターンに陥ることなくコリジョンバトルで戦い続けて勝利を引き寄せた。
後半28分の眞野のトライは激しく、しつこく、15フェーズを重ねてもぎ取った。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、そのトライを挙げた眞野。選出に異論はないだろう。ボールキャリーで何度も効果的に前進し、攻守両面のコリジョンバトルで勝っていた。
アタックでもチーム最初のトライ時には絶妙なロングパスをWTB石岡に放り、後半28分、25-22と競っている時間帯に自らトライも挙げた。
もう一人、勝利に大きく貢献した選手を挙げておきたい。SH高橋昴平のパフォーマンスはチームを勢いづけた。
相手の強い圧力を受け、ブレイクダウンからきれいに球が出てくるわけではない。そんな状況で、淡々とボールをさばく。うしろの声を聞いて判断も的確だった(特に、後半27分、15フェーズを重ねたトライへの流れの中でのプレーは◎)。
2回のスティールは相手の勢いを止めた。後半22分、自陣深いエリアでのスクラムからの展開で、ワールドクラスのCTBセミ・ラドラドラからボールを奪う。仲間が倒した瞬間、鋭く頭を突っ込んだ。
後半32分にはハーフウェイライン付近で再び攻守を入れ替えさせた。そこからPKで敵陣深くに入り込んだ結果、その後のPGでの加点を呼んだ。
トッド・ブラッカダーも高橋の成長を喜ぶ。
「昴平は、パスゲームなどの基本的なところに一生懸命取り組んできました。本当にタフ。ディフェンス、特にジャッカルに強みを持っているので、彼はそこ(自分のやらないといけないこと)を克服した。その結果が出ていると思います」
レヴズの渾身のチャレンジも心に残った。一貫して見せたコリジョンの激しさ。SO奥村翔の安定感。トライはどれもエキサイティングで、もっと見たいラグビーを体現していた。
プレーオフへの進出がかかっていたから余計に熱かったけれど、プライドを持つ自分たちの武器が似ている両者の戦いは、いつもスタンドを沸かす。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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