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埼玉ワイルドナイツ(埼玉WK)の懐の深さを感じる戦いだった。ディビジョン1(D1)第15節が開催された4月18日(土)、首位を走る埼玉WKは静岡袋井市のエコパスタジアムに乗り込み、9位の静岡ブルーレヴズ(静岡BR)と戦った。ホストゲームとなる静岡BRは、さまざまな企画を用意して観客を楽しませた。人気アニメ『ONE PIECE』の主題歌「ウィーアー!」、「ウィーゴー!」をきただにひろしさんが歌うパフォーマンスもあり、9,042人の観客も大いに盛り上がった。
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午後2時30分、静岡BR・SO奥村翔のキックオフで試合は始まった。プレーオフ進出に向かって勝ち点を積み上げたい静岡BRは、すさまじい気迫で襲い掛かった。前半3分、得意のスクラムで反則を誘うと、PKからのタッチキックで埼玉WKトライライン直前のラインアウトを得る。ここからモールを押し込んでHO日野剛志がトライ。奥村が難しいゴールも決めて、7-0とリードする。その後もFLヴェティ・トゥポウの強烈なタックル、NO8クワッガ・スミスのスティール(ジャッカル)などで埼玉WKの攻撃を寸断。そのプレッシャーに埼玉WKは珍しくイージーミスを連発した。
それでも埼玉WKは我慢強く戦った。前半15分、ラインアウトからのサインプレーでNO8ユアン ウィルソンがトライラインに迫り、LOリアム ミッチェルがトライを返す。SO山沢拓也のゴールも決まって、7-7の同点。しかし、その後もミス、反則があり、静岡BRのWTBマロ・ツイタマ(前半23分)、日野(前半32分)に連続トライを奪われる。日野のトライは、強力スクラムで反則を取られ、ラインアウトからモールを押し込まれる「レヴズ・スタイル」での失点だった。ここまでは静岡BRに主導権を握られていた。しかし、埼玉WKが真骨頂を発揮するのはこの後だった。
前半終了間際、FLラクラン ボーシェーのスティールで反則を誘って攻め込むと、連続攻撃からSH小山大輝がトライ。山沢のゴールも決まって、14-21と7点差に迫って前半を折り返す。後半に入ると、埼玉WKは接点でプレッシャーをかけ続ける。後半9分、山沢のキックパスを右タッチライン際で受けたWTB長田智希からウィルソンにパスが渡ってトライ。山沢がゴールを決めて、21-21の同点とする。14分には山沢がスピーディーな走りでディフェンスラインを破り、最後はFB野口竜司がトライ。28―21とリードをとった。
ジャパンラグビー リーグワン2025-26(4月18日)
【D1 第15節 ハイライト】静岡ブルーレヴズ vs. 埼玉ワイルドナイツ|ジャパンラグビー リーグワン2025-26(4月18日)#leagueone
J SPORTS 放送情報
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【45分ハイライト】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 第15節-2 静岡ブルーレヴズ vs. 埼玉ワイルドナイツ
放送日時:2026年4月20日(月)午後 6:15 ~ J SPORTS 1
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放送日時:2026年4月20日(月)午後 10:00 ~ J SPORTS 1
後半17分からはPG合戦。静岡BRの奥村がPGを決めて4点差に迫ると、埼玉WKの山沢も2本のPGを決めて、34-24と突き放す。10点差のままノーサイドの時間が近づいた後半40分、静岡BRはゴールポストまで約45mのPGを狙う選択をした。今後の勝ち点争いをにらみ、7点差以内の負けに与えられるボーナス点を取りにいったのだ。しかし、このボールが右のゴールポストに当たる。キッカーの奥村は風で左に流されると予測して右のポストを狙ったが、図らずもボールをまっすぐ飛んでヒットした。跳ね返ったボールを猛然と追いかけたクワッガ・スミスが取ってトライライン直前まで前進。思わぬトライチャンスに大歓声が沸き上がる。誰もがトライだと思った瞬間、最後のパスをトゥポウが落球。直後にノーサイドの笛が鳴った。トゥポウを止めようと素早くポジショニングしたLOリアム ミッチェルの反応が光る場面だった。
敗れた静岡BRの藤井雄一郎監督は「しっかり準備して自分たちの形で戦い、プレッシャーをかけることもできました。最後まで果敢に攻めてくれましたが、スコアだけが上回れませんでした」と選手の称賛しつつ悔しさをにじませた。対する埼玉WKの坂手淳史キャプテンは「ミスや反則で難しいゲームになりましたが、ゲームを通して修正してどんどん良くなりました。残り3試合も成長していきたいです」と話した。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、山沢拓也。正確なプレースキック、キックパス、タッチキックで勝利に貢献しただけではなく、ディフェンス背後にショートパントを使って自ら確保を狙うなど積極的な姿勢も光った。そんな動きについて質問すると、「自分のプレースタイルをみんなが理解し、他の選手のプレースタイルも知っているから、そういうプレーが成り立っていると思います」と説明した。無理なプレーではなく、反応してくれる仲間がいるからこそのプレーだということだ。いつになくミス、反則の多かった埼玉WKだが、それでも勝利を手繰り寄せた。窮地に陥っても、理解し合う仲間が最善の選択を積み重ねることの強さを知る試合だった。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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