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メイジらしい真っ向勝負の勝利だった。「強みのモールを使いたかった」と、木戸大士郎キャプテンはゴールポストに近い位置でPKを得ても、PGを狙わずラインアウトから攻め続けた。自身は早明戦以来の復帰戦で、後半30分に交代するときには満足に歩けないほど力を出し切っていた。
12月22日(日)、三重交通Gスポーツの杜鈴鹿には、厳しい冷え込みの中4,442人の観衆が詰めかけた。試合前のトスでは、勝った明大がキックオフを選び、天理大が風下の陣地を選択した。明大のキックオフをキャッチした天理大がいきなりボールを大きく展開し、左タッチライン際を抜け出し、CTB山田晟大(1年)のパントで明大陣ゴール前まで攻め込む。ここは明大NO8木戸大士郎(4年)がよく戻ってカバーし、天理大がゴールライン直前で反則を犯してチャンスを逸する。
この後も天理大はよく攻めたが、明大の前に出るディフェンスの圧力にミス、反則を繰り返してしまう。ラインアウトでも天理大ボールを明大がスチールするなど、明大のディフェンスの良さが目立った。先制したのも明大だった。前半20分、SO伊藤龍之介(2年)の好タッチキックで攻め込んだ明大は、ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、最後はFL福田大晟(4年)がトライ。その後、明大はPGチャンスを得るが、PGは狙わずタッチキックでラインアウトからモールで勝負し、前半26分、PR檜山蒼介(2年)がトライ。10-0とする。
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互いにスクラムはうまく組めずに反則が多くなり、ややフラストレーションのたまる展開となるが、明大はFW戦に徹して前に出た。後半は風下に回ったが、14分、ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、HO金勇哲(4年)がトライ。交代出場のSO萩井耀司(1年)がゴールを決めて、17-0とする。試合を決定づけたトライは後半20分だった。天理大陣ゴール前右隅の天理大ボールのスクラムを明大が押し込んでターンオーバー。そこからの攻めで木戸がトライする。スコアは24-0。
ラグビー 全国大学選手権 24/25(12月22日)
【準々決勝 ハイライト】天理大学 vs. 明治大学
明大の勝利は濃厚になったが、残り20分で天理大の怒涛の反撃が始まった。まずは後半28分、SO上ノ坊駿介(3年)が自陣22mラインから自ら上げたショートパントを獲って大きくゲイン。粘り強くボールをつないで、LOアリスター・サウララ(1年)がトライ。FB筒口允之キャプテン(4年)がゴールを決めて、24-7。33分には、天理大らしいフラットパスに走り込んだHO寺西翔生(4年)が抜け出し、PR岡田大和(2年)がつなぎ、明大WTB白井瑛人(1年)がタックルしたが、最後は交代出場のLO岡崎慶喜(3年)がトライ。24-14となる。
その後も疲れた体で両チームが奮闘し、観客も息をのむ激闘となる。終了間際、天理大が交代出場のSH藤原健之朗(4年)がトライしたが、24-21でノーサイドとなった。「経験値が足りなかった」と天理大の小松節夫監督。反則は明大の9に対して16。規律が乱れは大きな敗因だった。一方、明大は終始ブレイクダウンにプレッシャーをかけ、ディフェンスでも的確なタックルを決め続けた。SO伊藤も好キックでFWを前に出し、モールからのトライを演出。3回戦の東海大戦では1年生の活躍が目立ったが、この試合では木戸はじめ、CTB秋濱悠太(4年)、LO田島貫太郎(4年)ら4年生が熱いプレーでチームを引っ張った。大学でのプレーは今季で最後になる選手たちの責任感が胸を打つ戦いでもあった。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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