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1995年南アフリカ大会 決勝 南アフリカ vs. ニュージーランド
2023年はラグビーワールドカップ(RWC)イヤー。9月8日開幕のフランス大会は第10回目の世界一決定戦だ。「ラグビーワールドカップ100選」では過去のRWCの名勝負、印象的な試合をピックアップしている。これまで9度開催された大会のなかで、歴史的に特筆すべきRWCといえば、1995年の南アフリア大会だろう。南アフリカはニュージーランドと並ぶラグビー強国でありながら、反アパルトヘイト(人種隔離政策)の国際制裁でスポーツ交流を禁じられていた時期があった。
1991年にアパルトヘイトは撤廃され、その後、ラグビーの南アフリカ代表スプリングボクスも国際舞台へ復帰。ホスト国となった1995年大会は初参加で初優勝を目指した。1994年に全人種が参加した初の総選挙で当選した初の黒人大統領ネルソン・マンデラは、この大会で人種融和政策を推し進め、生まれ変わった南アフリカを世界にアピールしようとする。前政権下で27年間も牢獄に閉じ込められながら、白人に復讐せず、国をひとつにしようとしたのだ。
狙い通り決勝に進出したスプリングボクスとニュージーランド代表オールブラックスの決勝戦はRWC史上初の延長戦にもつれ込む。ニュージーランドの怪物WTBジョナ・ロムーの突進を、SHユースト・ファンデルヴェストハイゼンを軸に止めるスプリングボクス。死闘の末、スプリングボクスが頂点に立つ。マンデラ大統領は白人のスポーツだったラグビーの代表であるスプリングボクスのジャージーをまとって表彰式に登場し、フランソワ・ピナールキャプテンにエリスカップを手渡す。「南アフリカのためにやってくれて、感謝しているよ」(マンデラ大統領)。「あなたがこの国のために成し遂げてくれたことには及びもしません」(ピナールキャプテン)。「大会のスローガン「ONE TEAM,ONE COUNTRY」が完結した歴史的瞬間は必見だ。
1995年大会からこの他3試合をピックアップ。プール戦屈指の好勝負となったフランス代表対スコットランド代表。フランスが南アフリカを追い詰め、ジョナ・ロムーがイングランド代表を蹴散らした準決勝2試合も今一度振り返りたい戦いだ。1995年大会は5月、6月に開催されたが、この年の9月、ラグビーのアマチュア規定が撤廃され、プレーに対する報酬が認められる。現在につながるプロ・アマ混合のオープン化時代の始まりだ。南半球のスーパーラグビー、フランス、イングランドのプロリーグがオープン化の先頭を走る。
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