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リーグワン第5節で笛を吹いたアンガス・ガードナー氏
なのに、たまに判定にちょっと冷たい口調になってしまい、あとで反省する。TMOが「反則探査システム」のようだと感じるときだ。トライ。観客の歓喜。わずかな前へのパス。何度か映像を確かめてシャッと水がかかる。
わが心の悪い声がささやく。「うしろから走ってきた人間がつかめるのだから大罪にあらず。まあ平行だろう。本当に前へ投げたらオフサイドを取ればよい」。繰り返しだが審判団に悪意のあるはずもない。芝の上のレフェリーの「お客さんのために止めたくないが、うーん、そうもいかないか」という良心の揺れもマイクを通して実況席に伝わってくる。
高いタックル、頭部への衝突については厳格に臨む。ラグビー界全体の流れである。競技の健全な存続のためにもっともっと安全を重視しなくてはならない。どうしてもレフェリーのポケットより突き出されるカードの枚数は増える。勝負の興はそがれる。入場料を払ったファンはかわいそうだ。しかし「これくらいは見逃せ」と述べるわけにはいかない。
2月26日。東京・秩父宮ラグビー場での第9節。後半27分、三菱重工相模原ダイナボアーズのFB、アライアサ空ローランドが「危険なタックル」によるシンビンの処分で退いた。対NECグリーンロケッツ東葛。同時点で26ー21。シーズンの結末をにらんでも重要な局面であった。
当該の場面を映像で確かめた。グリーンロケッツのアタック、中央ラックより左に折り返す。どのゲームでもパスのさえるSHのニック・フィップスがふたりを飛ばす。ボールを受けた6番、フェトカモカモ・ダグラスも、すぐ左横へ駆け寄る者を含めると3人飛ばしのふんわりした球質をフッカーのアッシュ・ディクソンへ届けた。
ディクソンは軽くジャンプしてパスをつかみ、そこから引力の法則に従って沈み、頭の位置も下がって、そのままぶちかます。そこにはダイナボアーズのアライアサのヘッドもあった。正面衝突。危険だ。梶原晃久レフェリーにすれば放置はできない。現象はアライアサの「ファールプレー」。ただし「タックルする前に止まっている」のでレッドではなくイエローカードに軽減された。
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